◎パキスタンの裁判所は、レイプ事件を調査する際に行われる「2本指テスト」と呼ばれる処女テストを非合法化すると判決を下した。
◎世界保健機関(WHO)は、古くから伝わる科学的根拠のないテストを「人権侵害以外の何ものでもない」と厳しく非難してきた。
Getty Images/パキスタン

パキスタンの裁判所は、レイプ事件を調査する際に行われる「2本指テスト」と呼ばれる処女テストを非合法化すると判決を下した。

判決により、パンジャブ州では処女膜が無傷であることを確認する侵襲的なチェックは禁止されることになった。

ラホール高等裁判所のアイシャ・マリク裁判官は判決について、「2本指テストは屈辱的であり、法医学的価値はなかった」と述べた。

人権活動家たちによって提起された請願は受け入れられ、活動に参加した人々は「判決を歓迎する」と喜びを語った。

人権活動家たちは、レイプ事件の医学的評価の一環として科学的根拠を提示することなく行われてきた2本指テストの廃止を長年訴えてきた。

1月4日の判決はパンジャブ州にのみ適用されるが、他の州の高等裁判所に提出されている請願に影響を与えると伝えられている。

ラホール事件で請願書を提出した弁護士のひとりは、「2本指テストは女性の信用を傷つけるためだけに存在するテスト」と述べた。

昨年9月にラホールの女性が子供の目の前で集団に輪姦された事件は市民の怒りに火をつけ、大規模な抗議行動に発展した。

市民の怒りを抑えたいアリフ・アルヴィ大統領は、レイプ事件の被告人を迅速かつ厳しく処罰するレイプ法案を承認した。

しかし、その後も侵襲的な2本指テストは継続されている。

2本指テストは、女性の膣に指を1本または2本挿入して「処女膜の存在を確認する」テストである。

パキスタンの一部の医師によると、レイプ事件に直面した女性は処女膜を失うため、被害者であることを確実に証明できるという。

世界保健機関(WHO)は、古くから伝わる科学的根拠のないテストを「人権侵害以外の何ものでもない」と厳しく非難してきた。

非合法化の判決を下したマリク裁判官は、「このテストは極めて侵襲的な慣行であり、科学的および医学的根拠はない」と述べた。

アイシャ・マリク裁判官:
「2本指テストは、被告人やレイプ事件ではなく被害者の主張に焦点を当てる屈辱的な慣行。極めて無意味なものである」

パキスタンでレイプ事件を起こした者は厳しい社会的不名誉に直面する可能性が高いため、レイプの件数は比較的少ないと報告されている。

ただし、レイプ事件を裁くための法律が整備されておらず、レイプで有罪判決を受けた者はほとんどいないと伝えられている

国連とWHOによると、2本指テストは主に南アジア地域で採用されており、少なくとも20カ国で文書化されているという。

インドは2013年、バングラデシュは2018年にテストを非合法化した。

アフガニスタンは2018年に非合法化したが、同国の独立人権委員会によると、テストは現在も継続しているという。

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