◎ミャンマーは昨年、アフガニスタンを抜いて世界一のアヘン生産国になった。
ケシを収穫する人々(AP通信)

国連薬物犯罪事務所(UNODC)は12日、違法薬物の世界最大の供給源であるミャンマーのアヘン生産量がわずかに減少していると明らかにした。

UNODCが公表した「ミャンマー・アヘン調査2024(The Myanmar Opium Survey 2024)」によると、今年のアヘン栽培面積は前年比4%減の4万5200ヘクタール、生産量は8%減の995トンとなった。

ミャンマーは昨年、アフガニスタンを抜いて世界一のアヘン生産国になった。

アフガンのタリバン暫定政権は2021年の政変後、アヘン栽培を禁止。その結果、アヘン栽培量は95%減少した。モルヒネやヘロインの原料となるアヘンはケシの花から採取される。

一方、ミャンマーでは軍事政権が発足した21年から23年にかけて、栽培量と生産量が増加した。同国では現在、反体制派が軍政への攻勢を強め、国土の半分以上を掌握している。

UNODC東南アジア・太平洋地域代表はオンライン会見で、「今回の調査は現地確認と衛星写真の両方を活用して行った」と語った。

それによると、内戦状態にあるミャンマーの正確なアヘン生産量を知ることは難しいという。

またUNODCは「ゴールデントライアングルの生産規模は過去に類を見ない規模になっている」と強調した。

さらに、「ミャンマーの情勢がさらに不安定になれば、アヘンの生産にも影響を与える可能性がある」とした。

ゴールデントライアングルはタイ、ミャンマー、ラオスの国境地帯の通称で、違法薬物製造・取引の拠点になっている。

ゴールデントライアングルの政情は不安定であり、多くの専門家がミャンマーの政変と内戦が麻薬の生産・密売増に拍車をかけていると指摘している。

この地域で生産される麻薬の取引額は年間800億~1000億ドル(約15兆円)と推定されている。

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