◎北朝鮮は1月5日、極超音速ミサイルの発射に成功したと主張した。
1月7日、韓国は極超音速ミサイルの発射に成功したという北朝鮮の主張に異議を唱え、5日のテストは通常の弾道ミサイルである可能性が高いと述べた。
韓国政府は北朝鮮との関係を悪化させないために、公の場で北の兵器開発や試験について議論することを避けてきた。今回の評価は金正恩 党総書記を怒らせる可能性がある。
韓国の国防部は7日の会見で、「北朝鮮はまだ、極超音速兵器を発射する技術を持っていないと信じている」と述べた。
国防部によると、5日に発射されたミサイルは昨年10月に平壌で行われた兵器展示会で公開された弾道ミサイルの一種である可能性が高いという。北朝鮮は昨年9月にも極超音速ミサイルの発射試験を行ったと主張している。
国防部の当局者は、「北朝鮮は弾道ミサイルは700km飛行し、途中横方向に水平移動しつつ標的を捉えたと主張したが、これは誇張である可能性が高い」と述べた。
また当局者は、「この主張はミサイル計画は順調に進んでいると国民を安心させ、信頼を得るために誇張された可能性が高い」と指摘した。
北朝鮮は世界で最も貧しい国のひとつであり、コロナウイルスの感染拡大に伴う国境封鎖と米国主導の厳しい経済制裁の影響で経済状況はさらに悪化した。韓国の諜報機関などによると、北の食料不足は極めて深刻で、比較的裕福と信じられている平壌の住民ですら、食料の確保に苦労しているという。
しかし、金正恩は国民が飢えているにもかかわらず、核兵器と弾道ミサイルの開発を推進し、西側の要求を拒否し続けている。
北朝鮮の国営メディアによると、5日に発射された極超音速ミサイルは700km先の標的を捉える前に、横方向に120km移動し、迎撃ミサイルを軽々とかわし、飛行性能と安定性は大きく向上したという。
極超音速ミサイルは超大国の争いに影響を与える兵器のひとつと考えられている。中国とロシアは西側諸国を威嚇するためにこの開発を推進しているが、詳細はほとんど明らかにされていない。
韓国メディアによると、国防部は7日の報告の中で、「5日の試験は昨年9月以来、技術が進歩していないことを示している」と述べた。
また国防部は、韓国のミサイルは弾頭の破壊力と標的を捉える点で北朝鮮のミサイルより優れていると強調した。
国連安全保障理事会は10日午後に5日のミサイル試験に関する非公開協議を開催する予定。