◎中国とロシアは人道的な理由から北朝鮮への制裁を緩和するよう求めている。
国連安保理で26日、北朝鮮に対する制裁を強化する決議案の採決が行われたが、中国とロシアの拒否権に阻まれた。
13の理事国は、米国が起草した北朝鮮へのタバコ・石油の輸出を禁じる決議案に賛成票を投じた。その中には北朝鮮と関係があるとされるハッキンググループ「Lazarus」のブラックリスト化も含まれていた。
安保理は2006年に北朝鮮が初めて核実験を行った後、制裁を強化した。しかし、それ以降の制裁関連決議案はひとつも採択されていない。
米国のトーマスグリーンフィールド(Linda Thomas-Greenfield)国連大使は理事会の決定を「残念」と呼び、北の脅威は差し迫っていると懸念を表明した。
またトーマスグリーンフィールド氏は米国防総省の評価を引用し、「北は核実験の準備を進めている」と明らかにした。
イギリス、フランス、韓国の大使も同様の懸念を表明している。北は2017年以来、核実験を行っていない。
フランス大使は、「拒否権は北朝鮮の体制を保護し、さらなる兵器開発に白紙委任状を与えることに等しい」とした。
しかし、中国とロシアは制裁ではなく北朝鮮との対話で問題を解決する必要があると指摘し、米国を非難した。
両国は人道的な理由から制裁を緩和するよう求めている。
ロシアのネベンジャ(Vassily Nebenzia)国連大使は、新たな制裁を「行き詰まり」と非難した。
中国大使は、「北朝鮮に対する追加制裁は悪影響と対立のエスカレートを招くだけだ」とし、米国を非難した。「半島情勢がこのような事態に陥ったのは米国の裏表のある政策のおかげです」
バイデン(Joe Biden)大統領は前提条件なしで北朝鮮と話す意思はあるとしているが、「大盤振る舞い」はしないと繰り返し述べてきた。一方、北は実務者レベルの協議にすら関心を示していない。