◎火星12中距離弾道ミサイル(IRBM)の推定航続可能距離は4,500kmで、北朝鮮から米国のグアムとアラスカ州の一部地域を射程に収める
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1月31日、北朝鮮の国営メディアが30日に実施した弾道ミサイルの発射試験のものと思われる写真を公開した。
朝鮮中央通信によると、30日の午前に日本海に落下した弾道ミサイルは火星12中距離弾道ミサイル(IRBM)で、その先端に取り付けられたカメラで宇宙空間から地球を撮影したという。
日本政府は30日の声明で、「弾道ミサイルは高度2,000kmに達し、発射地点から800km先の日本海に落下したと見られる」と述べていた。飛行時間は30分と推定されている。
北朝鮮政府が公開した4枚の写真は左上が火星12の発射の瞬間、右上も発射直後、下2枚が火星12の先端に取り付けられたカメラで撮影した地球と伝えられている。
国連は北朝鮮の弾道ミサイル発射と核実験を禁じ、厳格な制裁を科している。しかし、金正恩 党総書記は自国の防衛と核開発の強化を誓い、ミサイルテストを繰り返している。
北朝鮮のミサイル発射は確認されているだけで今年に入って7回目で、IRBMのテストは2017年以来。北朝鮮は以前、火星12は大型の核弾頭を搭載できると述べていた。
ワシントンD.C.に本拠を置く戦略国際問題研究所によると、火星12の推定航続可能距離は4,500kmで、北朝鮮から米国のグアムとアラスカ州の一部地域を射程に収めるという。
北朝鮮がテストした最大のミサイルは火星15大陸間弾道ミサイル(ICBM)で、推定距離は8,500~13,000km、米国の本土を狙い撃ちできる。
ロイター通信によると、米国の高官は30日に行われたジャーナリスト向けの会見で、「北朝鮮は核兵器とICBMのテストを再開する可能性がある」と懸念を表明し、北朝鮮に前提条件なしで直接協議に応じるよう促した。
ジョー・バイデン大統領は北朝鮮が国連決議に基づき核とミサイル開発をやめると約束するのであれば、制裁解除に向けた交渉に応じる可能性があると述べている。
朝鮮中央通信は火星12のテストについて、「精度を確認するために発射した」と報じた。金正恩はテストを視察しなかったと伝えられている。
政府は報道の中で、「火星12は近隣諸国の安全を配慮し、北西部の試験場から韓国の東沖に向けて最高角度で発射された」と述べた。
北朝鮮の食糧供給はコロナの感染拡大に伴う国境封鎖、中国との貿易減、台風などの自然災害の影響で近年最悪レベルに達し、農村部では飢餓が進行中と伝えられている。
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