◎米独は今週、ウクライナに陸軍の主力戦車を送ると発表した。
北朝鮮、首都平壌、金与正(Getty Images)

北朝鮮の国営メディアは27日、ウクライナへの戦車供与を決めた米国がロシアの破壊を企てていると報じた。

朝鮮中央通信社KCNA)によると、金正恩(Kim Jong Un)党総書記の妹である金与正(Kim Yo-jong)は米国の決定を非難し、「米国はロシアの破壊を目的とする邪悪な代理戦争をエスカレートさせている」と記者会見で述べたという。

ヨジュンは朝鮮労働党中央委員会の副部長を務め、キムと共にウクライナ侵攻を擁護し、西側を一方的に非難している。

またヨジュンはウクライナ侵攻がもたらした経済危機の責任は米国にあると主張。ロシアは西側の覇権主義的な政策に対応するため、軍事行動を取らざるを得なかったと非難した。

北は昨年、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含むミサイルを70発以上日本海に向けて発射し、地下核実験を再開すると示唆している。

ヨジュンは「米国が存在しなければ、今の世界はより明るく、より安全で、より穏やかになっているだろう」と述べ、ウクライナへの戦車供与に懸念を表明した。

またヨジュンは「欧米がいかなる兵器をウクライナに供与しても、ロシア軍と人民の闘志および力がそれを打ち払い、粉々に焼き尽くす」と主張した。

米国は北がロシアの民間軍事会社ワグネルを含むロシア軍に大量の砲弾や武器を送っていると指摘しているが、北は関与を否定している。

米独は今週、ウクライナに陸軍の主力戦車を送ると発表した。米国防総省は世界最強と名高い戦車「エイブラムス」の供与について、メンテナンスに多額の費用がかかり、操作も非常に複雑であることなどから、供与は難しいという見方を示していた。

ヨジュンはバイデン(Joe Biden)米大統領がレッドラインをさらに踏み越え、ロシアを破壊する代理戦争をエスカレートさせることで邪悪な覇権主義を実現しようとしていると指摘した。「米国はロシアの安全保障に脅威を与え、地域情勢を深刻な局面に追い込む大罪人である...」

またヨジュンは「米国と西側が誇るどんな軍備も英雄的なロシア軍と人民の不屈の闘志と力の前では木っ端微塵になると信じて疑わない」と述べ、北は常にロシアと同じ「塹壕」に立つと強調した。

北はウクライナ東部のテロ国家であるルガンスク・ドネツク両人民共和国の独立を承認し、両地域の復興を支援するために労働者を派遣すると示唆している。

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