◎ロシア民間軍事企業ワグネルはウクライナで劣勢に立たされているロシア軍を支援するために世界各地で武器を探し回っている。
2019年4月25日/ロシア、ウラジオストク、プーチン大統領と北朝鮮の金正恩党総書記(Getty Images/AFP通信)

北朝鮮の国営メディアは23日、ロシアによるウクライナ侵攻を支援するために北朝鮮がロシア民間軍事企業ワグネルに武器を売却したという米国の主張を「馬鹿げている」と一蹴した。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー(John Kirby)報道官は22日、北朝鮮がワグネルに武器を売却したことを確認したと明らかにした。

ワグネルはウクライナで劣勢に立たされているロシア軍を支援するために世界各地で武器を探し回っているようだ。

カービー氏は記者会見で、「北朝鮮は先月、ワグネルへの最初の武器納入を完了し、その代金が支払われたことを確認した」と説明した。

北は国連安保理決議で武器の輸出入を禁じられている。

カービー氏はワグネルに渡った武器について、歩兵用ロケット弾とミサイルと説明した。

またカービー氏はワグネルがウクライナ侵攻に要員5万人を動員し、そのうち1万人が請負業者、4万人がロシアで採用された受刑者と明らかにした。

カービー氏はワグネルが武器をかき集めていることについて、「ロシア軍がつまづき、行き詰まり、ワグネルに助けを求めていることを意味する」と指摘した。

ワグナルの創設者であるプリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏は22日、米国の主張を「ゴシップ」と呼んだ。

NSCによると、ワグネルは毎月1億ドル以上をウクライナ侵攻に費やしているという。

ワグネルの主力部隊はロシア軍の退役軍人などで構成されると噂されているが、詳細は不明だ。ウクライナ侵攻においては、釈放と引き換えに侵攻への参加に合意した受刑者を前線に送り込んでいるとみられる。

欧米諸国はワグネルがシリア、リビア、マリ、中央アフリカ共和国などで活動し、人権侵害や民間人の虐殺などに関与したと告発している。

朝鮮中央通信社KCNA)は外務省報道官の声明を引用し、「ワグネルに武器を売却したという報道は誤りであり、国際社会はウクライナに流血と破壊をもたらした米国の犯罪行為を注視しなければならない」と主張した。

また報道官は日本のメディアが武器売却を報じたことについて、「最も馬鹿げた主張であり、コメントに値しない」と一蹴した。

報道官は「ロシアは他国の軍事支援なしに自国の安全と領土保全を守る能力を備えている」と主張した。

イギリスのウッドワード(Barbara Woodward)国連大使は23日、NSCの報告を支持し、「ロシアは複数の国連安保理決議に違反して北から武器を受け取っている」とツイートした。

英国防省は今週、ロシアはイラン製自爆ドローン数百機を購入する見返りにイランに高度な軍事部品を提供する計画であると明らかにした。

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