◎国連のスポークスマンは声明で、「国連特別大使のクリスティン・シュラーナー・バーゲナー氏はミャンマー軍の副司令官、ソー・ウィン氏と電話で話し、軍の武力行使の増加と、政治指導者の逮捕に対するアントニオ・グテーレス事務総長の懸念を伝えました」と語った。
◎治安維持部隊は14日の取り締まりで平和的に抗議している市民にゴム弾やスリングショットを使用した。
2021年2月15日 AP通信/ミャンマー、マンダレー

報告によると、国連はミャンマー軍の当局者に、「市民のありとあらゆる権利を完全に尊重しなければならない」と伝えたという。

国連のスポークスマン、ファーハン・ハク氏は声明で、「国連特別大使のクリスティン・シュラーナー・バーゲナーはミャンマー軍の副司令官、ソー・ウィン氏と電話で話し、軍の武力行使の増加と、政治指導者の逮捕に対するアントニオ・グテーレス事務総長の懸念を伝えました」と語った。

ファーハン・ハク氏(声明):
「グテーレス事務総長は、民主主義、平和、人権、法の支配を追求するミャンマーの市民に対する揺るぎない支援を誓約しています」

「シュラーナー・バーゲナー特別大使は、強引な対応は深刻な結果をもたらす可能性が高いと警告したうえで、ミャンマーの状況を現地で直接評価するとソー・ウィン副司令官に伝えました

ミャンマー国内におけるインターネットのアクセス制限は、2月15日の朝に改善した。

軍の最高指導者、ミン・アウン・フライン司令官は2月1日のクーデター以来、市民に対する弾圧と暴力を強化し続けている。

治安維持部隊は14日の取り締まりで平和的に抗議している市民にゴム弾やスリングショットを使用した。

暴力を目撃した写真家によると、1,000人以上の抗議者が第二の都市マンダレーのミャンマー経済銀行の前に集まっていたところ、兵士と警察を乗せたトラックが少なくとも10台到着し、迷うことなく抗議者にゴム弾を撃ち込んだという。

その後、兵士と警察は警棒で抗議者を打ち負かし、一部はライフルと思われる銃を構え、人々を威嚇した。現地メディアによると、数人がゴム弾で負傷したという。

首都ネピドーでは抗議者が警察署の周辺に集まり、クーデター防止活動に参加し拘束された学生グループの釈放を訴えた

拘束を免れたひとりは記者団に対し、「私たち(13歳から16歳までの範囲と思われる)は平和的に抗議を行っていました。警察は20人以上拘束したと思います」と語った。

2021年2月15日 Getty Images/ミャンマー、ヤンゴン

2月15日、ミン・アウン・フライン司令官はアウンサンスーチー氏の拘留期限を延長すると発表した。

国民民主連盟(NLD)からスーチー氏の弁護を依頼されたキン・マウン・ザウ弁護士によると、スーチー氏の拘留期限は2月17日まで延長され、法廷には出廷せずオンラインで裁判に参加する可能性が高いという。

軍はスーチー氏の逮捕理由について、「未登録のトランシーバーを違法に輸入し所持していたため」と述べているが、NLDはこの意味不明な言いがかりを却下している。

ミン・アウン・フライン司令官は昨年11月の議会選挙でNLDが不正を働いたと述べ、クーデターの正当性を主張したが、それを裏付ける証拠はひとつも提供しておらず、国の選挙委員会もこの言いがかりを先月末に却下した。

市民はミャンマーの現状をフェイスブックで発信していたが、軍はクーデター決行直後にこれをブロックした。また、ツイッターやインスタグラムの使用も制限されている。

ある活動家は現地メディアの取材に対し、「インターネットを完全にブロックすれば、軍は好きなように行動できる」と警告した。

市民はアウンサンスーチー氏を含む政府高官の解放と、民主主義の回復を要求している。

しかし、軍事政権は15日の声明で、「口頭、書面、標識などの目に見えるもので軍に対する憎悪を扇動したすべての者に長い懲役刑および罰金を科す」と脅迫した。

軍のウェブサイトに掲載された声明によると、治安部隊の職務遂行を妨げた者は20年の懲役、公の場で恐怖や不安を煽った者は3~7年の懲役を科される可能性があるという。

軍は13日に法律を改正し、裁判所の許可なく市民を捜査、逮捕、24時間以上拘束できる権限を自らに与えた。また、ジャーナリストに対しては、「政権交代をクーデターと書いてはいけない」と脅迫している。

2021年2月15日 Getty Images/ミャンマー、首都ネピドー
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