◎金正恩の妹、金与正(キム・ヨジョン)は労働新聞の中でジョー・バイデン大統領に「悪臭を放つこと(米韓協議および米韓合同軍事演習)は控えた方がよい」と警告した。
2018年4月/金正恩と妹の金与正(AP通信/韓国サミットプレス/プール)

北朝鮮の労働新聞によると、金正恩の妹はアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官の韓国訪問に先立ち、ジョー・バイデン大統領に「悪臭を放つこと(米韓協議および米韓合同軍事演習)は控えた方がよい」と警告したという。

アメリカの防衛トップは、日本の防衛トップと会談したのち、韓国を訪問する予定。

バイデン政権は北朝鮮との接触を数週間に渡って試みてきた。しかし、金正恩はバイデン大統領の就任を公式に認めておらず、アメリカとの接触を避けている。

両国の関係はドナルド・トランプ前大統領の演出で進展するかと思われたが、金正恩が核開発を継続すると誓約したため、破綻した。

金正恩の妹、金与正(キム・ヨジョン)は労働新聞の中で次のように述べた。

「海の向こうから私たちの土地に火薬の匂いを広めようとする者がやってきます。アメリカの新政権はとても苦労しているようです」

「(ジョー・バイデン大統領は)今後4年間穏やかに眠りたいのであれば、最初の一歩で悪臭を放つことは控えたほうがよいでしょう」

金与正は金正恩が侵略の準備と呼んでいる米韓合同軍事演習に対する反対を繰り返し表明し、「韓国政府は再び戦争を選びました」と警告した。

北朝鮮は米韓合同軍事演習に敏感に反応し、ミサイル発射実験で両国および日本を何度も威嚇している。

韓国の専門家は、「金正恩はアメリカの外交トップの韓国訪問に焦り、ワシントンD.C.とソウルに警告を発したのだと思います」と述べた。

金与正は日米および米韓の防衛トップ会談がどのような結果をもたらすかについては言及していない。

バイデン大統領の対北朝鮮政策レビューは来月発表される予定である。

バイデン大統領は昨年の大統領選挙期間中に金正恩を「凶悪犯」と呼び、核開発を縮小すると誓約しなければ、アメリカと国連の経済制裁が緩和されることはないと述べている。

アメリカと北朝鮮の関係は、金正恩が大陸間弾道ミサイルをテストした2017年に著しく悪化した。しかし、トランプ前大統領は金正恩と個人的な関係を築き、緊張を和らげることに成功した。

そして、歴史的な米朝首脳会談が開催され、北朝鮮はいよいよ非核化に向けて動き出すと噂されたが、ふたりはあっさり関係を解消し、核開発と経済制裁の行き詰まりを打開することはできなかった

金正恩は以前、バイデン大統領を「狂犬病の犬」と呼んでいる。

トランプ前大統領は金正恩を「ロケットマン」と呼んでいた。

2019年/ドナルド・トランプ大統領(当時)と金正恩(ゲッティイメージズ)
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