◎国営の朝鮮中央通信社は、「1月11日に発射されたミサイルは約1,000km離れた標的を正確に捉えた」と主張した。
2022年1月11日/北朝鮮が公開した写真、極超音速ミサイルの発射テストを視察する金正恩と政府高官(朝鮮中央通信/韓国通信社)

1月12日、北朝鮮の国営メディアによると、朝鮮人民軍は金正恩 党総書記の監視の元、11日に極超音速ミサイルの発射テストを行ったという。

国営の朝鮮中央通信社は、「1月11日に発射されたミサイルは約1,000km離れた標的を正確に捉えた」と主張した。

これが事実であれば、北朝鮮は3回目の極超音速ミサイル発射テストを行ったことになる。極超音速ミサイルは超大国の争いに影響を与える兵器のひとつと考えられており、中国とロシアは西側諸国を威嚇するためにこの開発を推進しているが、詳細はほとんど明らかにされていない。

キムは新年の演説で国の防衛と兵器開発を加速させると誓い、年明け早々、飛翔体を少なくとも2回日本海周辺に発射した。

日本と韓国は11日に発射された飛翔体を検出していたが、ミサイルか否かは分かっていなかった。

朝鮮中央通信社は11日の飛翔体が極超音速ミサイルであることを明らかにし、それは「優れた機動性を備えている」と主張した。

世界で最も貧しい国のひとつである北朝鮮は米国や中国の開発競争に負けじと極超音速ミサイル開発を進めていると信じられている。

朝鮮中央通信社はミサイルの発射テストを見学するキムと政府高官の写真を公開した。報道によると、キムが発射テストを見学したのは2020年3月以来約2年振りだという。

北朝鮮の動きを監視する韓国当局の代表はロイター通信の取材に対し、「キムは恐らく試験を見学したのだろう」と述べた。「労働新聞はキムの視察を特集記事で大々的に報じています。国営メディアは極超音速ミサイルの開発は順調に進んでいると国民にアピールしているようです...」

韓国の国防部は先週、極超音速ミサイルの発射に成功したという北朝鮮の主張に異議を唱え、1月5日のテストは通常の弾道ミサイルである可能性が高いと述べていた。

北朝鮮の経済はコロナウイルスの感染拡大に伴う国境封鎖と米国主導の厳しい経済制裁の影響で劇的に悪化した。韓国の諜報機関などによると、農村部の食料不足は極めて深刻で、比較的裕福と信じられている平壌の住民ですら食料の確保に苦労しているという。

2022年1月11日/北朝鮮が公開した写真、極超音速ミサイルの発射テストを視察する金正恩(朝鮮中央通信/韓国通信社)
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