◎世界保健機関(WHO)は2014年、性的虐待を受けた女性の健康管理に関する臨床ガイドラインの中で、処女検査には科学的根拠が欠けていると指摘していた。
2017年10月5日/インドネシア、陸軍の兵士たちはインドネシア軍創設72周年を記念する式典で武道のスキルを披露する(Tatan Syuflana/AP通信)

インドネシアの現地メディアによると、インドネシア陸軍は女性新兵に課していた「処女検査」をやめたという。

世界保健機関(WHO)は2014年、性的虐待を受けた女性の健康管理に関する臨床ガイドラインの中で、処女検査には科学的根拠が欠けていると指摘していた。

陸軍のアンディカ・パーカサ参謀総長は8月10日に行われた米軍との合同軍事演習後の記者会見で、「処女膜が無傷かどうかを検査することはもうない」と述べた。

検査官は女性新兵の処女膜を指で検査していた。

パーカサ参謀総長は、「新兵は訓練に参加できる能力があるかどうかを評価されるべきであり、今後は心臓の状態、脊椎の損傷の有無、色覚異常の有無など、作戦に影響を与えかねない問題だけを検査されるだろう」と強調した。

現地メディアによると、陸軍の医療関係機関は3カ月前に新しい検査手順に従うよう通知を受けていたという。

人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチのアンドレアス・ハルソノ研究員は、海軍と空軍にも同様の「無意味な慣行」を公式にやめるよう圧力をかけなければならないと述べた。

ハルソノ研究員はAP通信の取材に対し、「陸軍は正しい決断を下した」と語った。「海軍と空軍もこの無意味で非科学的で女性の権利を侵害する慣行をやめなければなりません...」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは以前のレポートの中で、「全ての女性新兵が検査を苦痛で恥ずかしくトラウマになると言った」と報告した。なお、検査で不合格になった女性が罰せられたという情報は確認されていない。

ハルソノ研究員はエジプト、インド、アフガニスタンの治安部隊でも同様の検査が行われていると指摘し、インドネシア陸軍の決定を文書化し、他の機関にも処女検査をやめるよう圧力をかけるべきと述べた。

インドネシアの女子高生も処女検査を受けており、人権団体から非難されている。

インドネシア軍と警察は何十年にもわたって処女検査を課し、婚約する女性兵士にも検査を命じたことがあったと伝えられている。インドネシア警察は2018年にこの慣行を終了した。

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