◎難民たちは数週間海を漂い、アチェ州の海岸に上陸したと伝えられている。
2022年3月6日/インドネシア、アチェ州ビリューエンに設置された避難所、ロヒンギャ難民(Zik Maulana/AP通信)

3月6日、インドネシア北部のアチェ州でイスラム系少数民族ロヒンギャの難民100人以上が保護された。

難民たちは数週間海を漂い、アチェ州の海岸に上陸したと伝えられている。

同州ビリューエン地区の漁村集落を率いる男性はAP通信の取材に対し、「難民たちは6日未明に私たちの村の近くにあるビーチに到着した」と語った。「村人のひとりがボートに気づき、仲間と一緒に上陸を支援しました...」

男性によると、難民たちは脱水症状でひどく弱っていたという。また、英語やマレー語を話せる者がおらず、どこから来たのか、どこに向かおうとしていたのかは分からないと述べた。

政府は集落の要請を受け、ビリューエン地区に避難所を開設した。

アルジャジーラによると、ボートに乗っていたのは男性58人、女性21人、子供35人の計114人で、軍、警察、コロナ対策本部などが支援物資を提供したという。

ミャンマー軍が反政府武装集団に対する掃討作戦を開始した2017年8月以降、70万人以上のロヒンギャ族が隣国バングラデシュに逃れた。ミャンマーは少数民族に対する大量虐殺で告発されている。

一部のロヒンギャ難民はバングラデシュの難民キャンプを離れ、イスラム教徒の多い他の国を目指し危険な航海を試みている。

イスラム教徒が大多数を占めるマレーシアは主要な目的地のひとつであり、人身売買業者は難民にそこでのより良い生活を約束している。しかし、マレーシアに上陸したロヒンギャ難民の多くは拘束され、収容施設に隔離されている。

インドネシアは1951年に国連で採択された難民条約に調印していないが、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ジョコ・ウィドド大統領が2016年に署名した大統領令はインドネシア近海で遭難した難民の取り扱いを規定し、難民を支援する法的枠組みを定めているという。

この規則は数年前から履行されており、昨年12月にもロヒンギャ難民105人がアチェ州北部の海岸付近で救助された。

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