◎事件は19日に発生。鋭利な刃物や弓矢を持った男たちが建設現場に押し入り、攻撃を仕掛けてきた。
2014年5月2日/インドネシアの反政府組織「自由パプア運動」の戦闘員(Getty Images)

インドネシア東部ニューギニア島・パプア州の建設工事現場に反政府勢力が押し入り、作業員1人を殺害、3人に重傷を負わせた。地元当局が20日、明らかにした。

それによると、事件は19日に発生。鋭利な刃物や弓矢を持った男たちが建設現場に押し入り、攻撃を仕掛けてきたという。

襲撃の知らせを受けた警備員が現場に急行したものの、男たちを捕らえることはできなかった。

パプア州警察の報道官は声明で、「この攻撃により作業員1人が死亡、3人が重傷を負った」と明らかにした。

州政府は陸軍に出動を要請。現場周辺には警察官と陸軍兵士が展開された。

地元テレビ局は関係者の話しとして、「陸軍と警察の合同部隊が襲撃に関与したテロ組織の行方を追っている」と伝えている。

インドネシア領パプア(旧オランダ領)はインドネシア本島とは民族的・文化的に大きく異なる。パプアは1961年にオランダから独立したものの、2年後にインドネシアの支配下に置かれた。

インドネシア政府は国連が主導した1969年の投票でパプアを編入。それ以来、パプア州と西パプア州では半世紀以上紛争が続いており、解決の見通しはまったく立っていない。

地元メディアによると、反政府組織「自由パプア運動(OPM)」や「西パプア民族解放軍(TPNPB)」などによる攻撃はこの1年で急増し、数十人の治安部隊、ゲリラ戦闘員、民間人が死亡したという。

16日には反政府勢力がパプア州郊外の鉱山を急襲。作業員7人を殺害した。

スポンサーリンク