◎救助隊は瓦礫を手で取り除き、行方不明者を探している。
2022年11月22日/インドネシア、西ジャワ州チアンジュール、被災地を視察するジョコ大統領(Rangga Firmansyah/AP通信)

インドネシア当局は22日、ジャワ島西部で発生した地震について、これまでに268人の死亡を確認し、1000人以上が負傷したと発表した。

地震は21日の現地時間13時20分頃に発生した。震源は西ジャワ州チアンジュール近辺。地震の規模を示すマグニチュードは5.6。震源の深さは10km。

軍・警察・消防は24時間体制で救助活動を行っている。当局によると、行方不明者は判明しているだけで151人にのぼり、その数はさらに増える可能性が高いという。

郊外の道路は土砂崩れなどの影響で通行できなくなり、救助活動を困難にしている。報道によると、震源から数十キロ離れた場所でも家屋の倒壊が確認されたという。

被害の全容はまだ明らかになっておらず、全容解明には数週間かかる可能性がある。

国家防災庁によると、被害を受けた家屋は確認できているだけで約2万2000戸にのぼり、5万8000人以上が避難を余儀なくされたという。

チアンジュールの震源近くでは地滑りが複数確認されている。報道によると、ある地域では村が丸ごとひとつ飲み込まれたという。

AFP通信の取材に応じた男性は「一瞬の出来事だった」と語った。この男性は地滑りに巻き込まれたものの、土砂から抜け出すことができたという。

国家防災庁の報道官は犠牲者の多くが若者や子供と報告した。多くの学校が倒壊したと報告されている。

地元メディアによると、農村部の建物は地震に弱く、本震に耐えた建物がその後の余震で倒壊したケースもあったという。

救助隊は瓦礫を手で取り除き、行方不明者を探している。

チアンジュールの集落でロイター通信の取材に応じた救助隊員は、「瓦礫の下敷きになった家族を探している」と語った。この家族が住む2階建て住宅は完全に崩壊し、柱もへし折れていた。

救助隊の活動を支援した男性はロイターに、「子供2人を助け出したが、1人がまだ行方不明だ」と語った。

報道によると、市内の病院はひどく混雑しているという。一部地域では停電も発生している。

ある地域では被災者とみられる人々が食料や避難所を探し求めていた。

ジョコ(Joko Widodo)大統領は22日、被災地を視察し、政府一丸となって行方不明者の捜索に当たると約束した。

またジョコ氏は被災地に必要な物資を速やかに送るよう関係閣僚に命じたと明らかにした。

数千人の兵士・警察官・ボランティアが救助隊を支援している。

子どもの権利保護団体「セーブ・ザ・チルドレン」は22日、少なくとも80の学校が被害を受けたと報告した。

団体の広報担当は声明で、「保護者とはぐれた子供を支援し、食料、水、避難所を確保して危険から守る必要がある」と述べている。

インドネシアは環太平洋プレートに沿って形成された火山大国であり、多くの火山が活発に活動し、大きな地震が定期的に発生している。

北部アチェ州沖で2004年末に発生したM9.1の大地震(スマトラ沖地震)では約23万人が死亡した。

今年2月には西スマトラ州でM6.2の地震が発生。少なくとも25人が死亡、460人以上が負傷した。

昨年1月に西スラウェシ州で発生したM6.2の地震では100人以上が死亡、6500人近くが負傷している。2018年のスラウェシ地震では2000人以上が死亡した。

2022年11月22日/インドネシア、西ジャワ州チアンジュール(Rangga Firmansyah/AP通信)
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