◎インドの結婚可能年齢は女性は18歳、男性は21歳。
2023年2月3日/インド、北東部アッサム州、18歳未満の少女と結婚したとされる男(中央)と警察官(AP通信)

インドの警察当局は4日、北東部アッサム州で児童婚に関与したとされる男2000人以上を逮捕したと発表した。

州警察のシン(Gyanendra Pratap Singh)長官は記者団に対し、「今週逮捕された者の中には州内で18歳未満の少女との結婚を取り仕切ったとされるヒンズー教およびイスラム教の聖職者50人以上が含まれている」と明らかにした。

シン氏は「3日以降の取り締まりで2169人を逮捕し、捜査を進めている」と説明した。

州警察は児童婚に関する告発や問い合わせ計4074件の捜査を進めている。捜査の対象となる男性は約8000人。

地元メディアによると、アッサム州を含む全国の児童婚の大半が放置されているという。

連邦政府の国家犯罪統計局によると、アッサム州で2021年に摘発された児童婚はわずか155件、2020年は138件。

インドの結婚可能年齢は女性は18歳、男性は21歳である。しかし、多くの女性がそれ以下での結婚を強いられ、妊産婦の事故率を押し上げている。

アッサム州警察は「12歳で婚姻状態にある少女も確認された」と報告している。

地元メディアによると、児童婚の割合が特に高いのは農村部で、貧困、教育不足、社会規範や慣習が主な要因だという。

地元テレビ局が3日に放送した映像には、乳幼児を抱えた10代とみられる女性たちが夫の逮捕に泣きながら抗議する姿が映っていた。

ある女性は取材に対し、「私たちは苦労しながらも、どうにか生活していたんです。私たちは幸せでした。夫が逮捕された今、誰が私たちを養ってくれるのでしょうか」と語った。

シン長官は会見の中で、「児童婚は違法であり、州の乳児・妊産婦死亡率を押し上げる要因になっている」と指摘した。

アッサム州選出のサルマ(Himanta Biswa Sarma)議員は4日、「私はアッサム州警察に女性に対する許されざる凶悪犯罪を取り締まるよう要請した」とツイート。今回の取り締まりを称賛し、さらなる行動を呼びかけた。

連邦議会は女性の結婚年齢を18歳から21歳に引き上げ、男性と同じにする法案を検討している。

政府のイラニ(Smriti Irani)女性・子ども開発相は3日の国会答弁で、「年齢引き上げにより、女子教育や女性の経済的自立を促進することができる」と語った。

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