◎当局はこの警察官を停職処分とし、行方を追っている。
2022年5月1日/インド、ウッタルプラデシュ州の抗議デモ(Getty Images/ロイター通信)

インドの警察当局は4日、現職警察官が13歳の少女を勤務中にレイプし逃亡したと発表した。

北部ウッタルプラデシュ州の警察当局によると、この少女は集団レイプされたことを警察に報告した際、警察官にレイプされたという。

当局はこの警察官を停職処分とし、行方を追っている。

少女は先月、4人の男から集団レイプされたと警察に訴えていた。

このニュースはたちまち全国に広がり、抗議デモに発展した。

警察によると、男たちは少女を隣のマディヤプラデシュ州に連れて行き、4日間にわたって性的暴行を加えたという。その後、男たちは少女をウッタルプラデシュ州に戻し、逃走した。

地元のNDTVニュースは少女の叔母のコメントを引用し、「地元の警察署に被害届を提出した後、少女は対応にあたった警察官にレイプされた」と報じた。

ウッタルプラデシュ州ラリトプルの警察署長は4日、少女は慈善団体に警察官にレイプされたと報告し、事件が発覚したと説明した。

この事件はインドで最も人口の多い(2億人以上)ウッタルプラデシュ州の法が機能していないという懸念と怒りを引き起こしている。

あるツイッターユーザーは、「警察署でレイプされるなら、レイプ被害者はどこに通報すればよいのですか?」と投稿した。

カースト国家のインドはレイプ大国と呼ばれ、世界の人権団体から非難されている。

インドでは首都ニューデリーのバス車内で女性が集団レイプされた2012年の事件以来、女性に対する性暴力や犯罪が脚光を浴びている。この女性はその後、死亡した。

この残虐な事件は世界中で大きなニュースとなり、ニューデリーでは過去に類を見ない大規模な抗議デモが発生した。政府は事件を重く受け止め、女性に対する暴力を厳しく取り締まる新法を施行した。

しかし、監視の目が強化されたにもかかわらず、国内では毎年数万件のレイプ事件が報告されている。2020年には確認されただけで28379人の女性と少女がレイプされた。

人権団体によると、地方都市の警察はレイプ被害の報告を平気でもみ消すため、実際の件数ははるかに多いという。レイプ被害に遭っても報告せず、ひとりで抱え込む女性もいる。

保守的なウッタルプラデシュ州は性暴力被害者の扱いで何度も批判されている。

2020年には同州内で集団レイプされ、その後死亡した女性の遺体を遺族の許可なく火葬し大きなニュースとなった。警察は複数の動かぬ証拠があるにもかかわらず、この女性はレイプされていないと主張し続けている。

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