◎インドは世界最大のカースト国家であり、男尊女卑が根付き、「レイプ大国」と呼ばれるほどレイプ事件が後を絶たず、差別が蔓延している。
2023年1月20日/インド、首都ニューデリーの連邦議会前、女子レスリングのフォガト選手(中央)と支持者たち(Manish Swarup/AP通信)

インドの首都ニューデリーでレスリング連盟(WFI)のセクハラ疑惑に抗議するデモが続いている。

オリンピック代表を含むレスリングのトップ選手らはWFIのシン(Brij Bhushan Sharan Singh)会長が女子選手に性的嫌がらせをしたと告発し、モディ政権に行動を起こすよう呼びかけている。

シン会長のセクハラを告発したフォガト(Vinesh Phogat)選手を含む多くのトップレスラーが1カ月以上座り込みを続けている。

このデモは今年1月に数週間行われた後、政府が対応を約束したことで一度中断し、4月23日に再開された。

現地メディアによると、デモ参加者は日を追うごとに増加し、徐々に激しさを増している。

少なくとも7人の選手(未成年を含む)がセクハラ被害に遭ったと告発しているが、シン会長は疑惑を否定し、告発を「政治的な動機によるもの」と批判。自分を吊るし上げる策略と主張している。

デモの最前線にいるのはオリンピックに2度出場しコモンウェルスやアジア大会でインド初の金メダルを獲得したフォガト選手とその妹である。

フォガト選手は地元メディアのインタビューで、「インドのレスリング界におけるセクハラ疑惑はしばしば隠蔽されてきた」と述べている。

それによると、2012年の合宿時に発生した事案は警察沙汰になったものの、24時間以内にもみ消されたという。

フォガト選手は次のように述べている。「私たちは抗議デモを始める前に、政府高官にセクハラが行われていること、女子選手が精神的に拷問されていることをすべて説明しました。しかし、閣僚は女子選手が受けた数多くのセクハラを認識しているにもかかわらず、何の行動も起こさず、幕引きを図ろうとしています...」

シン会長はモディ(Narendra Modi)首相の与党・インド人民党の議員であり、スポーツ省から全ての管理権限を剥奪された。しかし、デモ隊は与党が幕引きを図ろうとしていると非難し、デモを再開した。

インドは世界最大のカースト国家であり、男尊女卑が根付き、「レイプ大国」と呼ばれるほどレイプ事件が後を絶たず、差別が蔓延している。

スポンサーリンク