◎世界人口は昨年、80億人を超えた。
国連は19日、インドの人口が2023年半ばまでに中国を抜き、世界最多になる見通しと発表した。
国連が公表したレポートによると、インドの15~24歳の現在の人口は2億5400万人で世界最多。
一方、中国は高齢化と出生率の低下に悩まされており、近い将来、欧米の先進国を上回る人口減に直面すると予想されている。
アナリストはインドの若年層が今後何年にもわたって増え続け、同国の経済成長を牽引する可能性があると指摘する一方、就業機会を確保できない場合は大きな問題に直面すると警告している。
米IT大手アップルなどは賃金の上昇と生産年齢人口の減少が顕著な中国から生産拠点の一部をインドに移したいと考えている。
国連のレポートによると、今年7月1日時点の人口はインドが14億2800万人。中国は14億257万人と推定している。なお、インドは2011年以来国勢調査を行っていないため、正確な人口を把握することは困難である。
中国の人口は国連が統計を取り始めた1950年以降、順調に増加してきた。両国の人口を合わせると世界人口の3分の1以上を占める。
世界人口は昨年、80億人を超えた。
国連は少し前まで、インドの人口が中国を超えるのは10年ほど先と予想していた。しかし、中国の出生率が予想以上に低下し、少子高齢化が進んだことで、その時期は急速に早まった。
一方、インドは若者が多く、出生率も高い。さらに、この30年で乳児の死亡率は大きく低下した。ただし、そのインドでも合計特殊出生率は低下傾向にあり、世界銀行によると、1960年の5人超から、2020年には3人弱に低下した。
インドの人口は76年前の独立時から4倍以上に増加した。さらに政府は気候変動の脅威、都市と農村の人口格差・不平等、男女間の経済格差、宗教格差の解消に取り組んでいる。