◎逮捕された3人は信号技師と技術者とされ、業務上過失致死傷罪と証拠隠滅の罪で送検された。
2023年6月3日/インド、東部オディシャ州バラソール、脱線した旅客列車(Rafiq Maqbool/AP通信)

インド東部オディシャ州バラソールで先月発生した同国史上最悪の鉄道事故に関連して、鉄道関係者3人が逮捕された。捜査当局が7日に明らかにした。

事故は6月2日の深夜に発生。旅客列車1本が停車していた貨物列車に衝突・脱線し、隣接する線路を走っていた別の旅客列車に衝突した。

旅客列車は本来進むべき本線ではなく、貨物が止まっている線路に入り、衝突・脱線。反対方向に進んでいた旅客列車の後部客車が巻き込まれた。

地元メディアによると、逮捕された3人は信号技師と技術者とされ、業務上過失致死傷罪と証拠隠滅の罪で送検されたという。それ以上の詳細は明らかになっておらず、捜査が続いているものとみられる。

一部の地元メディアは列車を運行するインド鉄道の職員10数人が事情聴取を受けたと伝えている。

2つの旅客列車には当時、2200人以上が乗車しており、290人以上が死亡、1000人近くが負傷した。

中央政府は「人為的ミスが重なり、大事故に至った」という見方を示している。

インドの鉄道網は世界最大級であり、歴代政府が数十億ドルを投じてインフラを整備したにもかかわらず、事故が多発している。

安全性を向上させる努力は今も続いているが、毎年数百件の鉄道事故が発生し、そのほとんどが人為的ミスや信号設備の老朽化によるものとされる。

1995年に首都ニューデリー近郊で2台の旅客列車が衝突した事故では358人が死亡。2016年には中部マディヤプラデシュ州インドールとビハール州パトナの間で旅客列車が脱線し、146人が死亡した。

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