◎公式の死者数を前回の275人から288人に訂正し、83人の遺体が身元不明のままである。
2023年6月2日/インド、東部オディシャ州バラソール、脱線した旅客列車(Press Trust of India/ロイター通信)

インド当局は6日、東部オディシャ州バラソール近郊で発生した旅客列車2本と貨物列車が絡む衝突事故について、83人の遺体が身元不明のままであり、遺族を探していると報告した。

事故は2日深夜に発生。旅客列車1本が停車していた貨物列車に衝突・脱線し、隣接する線路を走っていた別の旅客列車に衝突した。

旅客列車は本来進むべき本線ではなく、貨物が止まっている線路に入り、衝突・脱線。反対方向に走っていた旅客列車の後部客車が巻き込まれた。

乗客1000人以上が病院に搬送され、手当てや治療を受けた。多くの市民が事故に巻き込まれた家族を探している。

この事故はインドにおける今世紀最悪の鉄道事故となった。

オディシャ州政府の報道官は記者会見で、「公式の死者数を前回の275人から288人に訂正し、83人の遺体が身元不明のままである」と報告した。

2つの列車には3000人以上が乗車していたとみられる。地元メディアはどちらも満席だったと報じている。

オディシャ州政府庁舎には同州や他の州から来た乗客の家族が殺到。市内の病院も混雑し、遺体の身元確認を困難にしているようだ。

AP通信の取材に応じた女性は「あの列車に乗っていたと思われる父親と連絡が取れない」と語った。「父は事故に遭った列車に乗ると言っていました...」

インドの鉄道網は世界最大級であり、歴代政府が数十億ドルを投じてインフラを整備したにもかかわらず、事故が多発している。

同国で最も多くの死者を出した鉄道事故は北部ビハール州で1981年に発生した事故で、500~800人以上が死亡したと推定されている。

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