◎インドの結婚可能年齢は女性が18歳、男性は21歳である。
2023年2月6日/インド、北東部アッサム州、児童婚の一斉取り締まりに抗議する女性たち(ロイター通信)

インド北東部アッサム州で児童婚の一斉取り締まりに反対するデモが行われ、夫を逮捕された女性数百人が参加した。

州警察は3日以降の取り締まりで2400人以上を逮捕。4000件以上の刑事事件を捜査し、その対象は8000人以上にのぼる。

逮捕者の中には児童婚を取り仕切ったとされるヒンズーおよびイスラム教の司祭も含まれている。

野党議員はこの取り締まりを「茶番」と呼び、イスラム教徒が不当に狙われていると主張した。

インドの結婚可能年齢は女性が18歳、男性は21歳である。しかし、多くの女性がそれ以下での結婚を強いられ、妊産婦の事故率を押し上げている。

アッサム州政府は児童婚を犯罪と糾弾し、法律に基づいて取り締まりを行っていると反論した。

連邦政府の統計によると、既婚女性の2割以上が18歳未満で結婚している。

国会は現在、女性の結婚可能年齢を21歳に引き上げる法案を検討している。

しかし、シャリア(イスラム法)は「少女は思春期になれば結婚できる」と定めている。国会の女性委員会はイスラム教徒を含むすべてのインド国民に法律に従うよう求め、最高裁に提訴している。

3日に取り締まりが始まって以来、州警察本部の前では抗議デモが続いている。

地元メディアは抗議に参加した女性の話を引用し、「稼ぎ頭が逮捕され、多くの女性と子供が路頭に迷っている」と報じた。

州政府は影響を受けた女性に支援を提供すると約束したが、不満解消には至っていない。

ある女性は現地紙インディアン・エクスプレスに、「これからどうやって生活していけと?」と憤慨した様子で語った。「私は夫に完全に依存しています...」

別の女性は初等教育しか受けておらず、法的支援を受ける方法がわからないと訴えた。

タイムズ・オブ・インディア紙によると、警察は4日、州警察本部前に集まったデモ隊に催涙ガス弾を撃ち込み、解散させたという。

州警察は「14歳以下の少女と結婚した容疑者は児童性犯罪防止法で起訴される」と警告している。

14~18歳の少女と結婚した者は児童婚禁止法に基づいて逮捕・起訴される。有罪判決を受けた者は2年以下の禁固刑と罰金刑に処される。児童性犯罪防止法はこれよりさらに厳しい刑罰を規定している。

州政府は声明の中で、「児童婚を取り仕切った司祭を含む8100人以上が捜査対象となり、警察に手加減無用で捜査に当たるよう求めた」と述べている。

また州政府は「児童婚は犯罪であり、いかなる理由があろうと容認されない」と強調した。

しかし、野党議員はモディ(Narendra Modi)首相率いるインド人民党(BJP)が気まぐれで児童婚を取り締まり、多くの女性と子供を窮地に追いやっていると非難した。

ある野党議員はツイッターに、「アッサム州のBLPは気まぐれで何年も前に結婚した男性を逮捕し、女性と子供を苦しめている」と投稿した。

別の議員は地元メディアのインタビューでこの取り締まりを「広報活動」と呼び、「警察は適切な捜査や手続きなしに、何十年も前に結婚した男性を逮捕し、成果をアピールしている」と非難した。

しかし、州政府は少なくとも2026年の州議会選までは取り締まりを続け、児童婚ゼロを達成すると約束した。

2023年2月5日/インド、北東部アッサム州、児童婚で逮捕された男性と警察官(ロイター通信)
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