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▽インド政府はカシミール地方で発生した観光客襲撃事件にパキスタン当局が関与したと主張。パキスタン政府はこれを否定し、インドが偽情報を拡散し、イスラム教徒への弾圧を強めようとしていると非難した。
2025年4月24日/インド、ジャンムー・カシミール州、武装勢力による襲撃事件に抗議するデモ(AP通信)

インドとパキスタンが互いの国民に対するビザ発給を取りやめた。パキスタン政府は24日、水共有条約を停止するとインドに通知した。

インド政府はカシミール地方で発生した観光客襲撃事件にパキスタン当局が関与したと主張。パキスタン政府はこれを否定し、インドが偽情報を拡散し、イスラム教徒への弾圧を強めようとしていると非難した。

事件はジャンムー・カシミール州近郊の山岳地帯にある観光地で22日に発生。正体不明の武装集団が観光客に向けて発砲し、26人が死亡、17人が負傷した。

インド政府はこの地域に陸軍を派遣し、容疑者を追跡している。

インドは事件を受け、パキスタン国民に発行したすべてのビザを26日に剥奪すると発表。現在インドに滞在しているすべてのパキスタン人はビザが失効する前に出国しなければならない。

パキスタンはインドの外交スタッフの削減、両国間で唯一機能している陸上国境の閉鎖、インド側に水を送っている水共有協定の停止などの措置を発表した。

またパキスタンはインドが所有または運営するすべての航空会社の領空への進入を禁じ、インドとの貿易を停止した。

この事件はインド人に衝撃を与え、宿敵パキスタンに対する行動を求める声が高まった。

インド政府はこの襲撃にパキスタン当局が関与していると主張したが、その主張を裏付ける証拠は示していない。

パキスタン政府は犯行声明を出した抵抗勢力とのつながりを否定している。

インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は立っていない。

カシミールでは24年9月末頃から暴力事件が急増し、多くの市民が爆弾テロや銃撃戦に巻き込まれている。

カシミールの反政府勢力は1989年の武装蜂起以来、中央政府と戦ってきた。カシミールで生活するイスラム教徒の多くがパキスタンへの編入か独立という反政府勢力の目標を支持している。

インドとパキスタンは1947年の独立時、65年、71年の計3回、この境界線を巡って衝突(印パ戦争)している。

インド政府は2019年、「歴史的大失態」の是正として、70年間に渡って認めてきたジャンムー・カシミール州の自治権を剥奪した。

ジャンムー・カシミール州はインドで唯一、イスラム教徒が多数派の州であり、ヒンズー政策を推進する政府と何度も対立してきた。

パキスタン政府は24日、インドの「好戦的措置」を非難した。また政府は「パキスタンは和平にコミットしているが、主権、安全、尊厳、不可侵の権利を侵すことは決して許さない」と強調した。

双方の政府閣僚はこの事件が軍事行動にエスカレートする可能性をほのめかしている。

パキスタン外相は地元テレビ局のインタビューで、「インドがパキスタン領内で軍事行動に出た場合、最悪の事態に発展するだろう」と延べ、戦争も辞さないと示唆した。

インド国防相は23日、「襲撃者を突き止めるだけでなく、この邪悪な行為に関与した者を破壊する」と約束し、軍事攻撃もあり得るとほのめかした。

インドは21年、射程5000キロの核搭載可能大陸間弾道ミサイル「アグニ5」の発射実験に成功。これは長距離地対地弾道ミサイルである。

インドは1947年にイギリスから独立して以来、宿敵パキスタンと3度の戦争を戦ってきた。これらのミサイルはパキスタンの全国土を射程に収めている。

パキスタンも核保有国であり、中長距離ミサイルの開発を進めている。

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