◎南部ケララ州で発生した洪水と地滑りの被害はさらに拡大し、10月18日の時点で28人の死亡が確認された。
インドの現地メディアによると、南部ケララ州で発生した洪水と地滑りの被害はさらに拡大し、10月18日の時点で28人の死亡が確認されたという。
先週、南部地域を襲った猛烈な雨は河川の増水と土砂崩れを引き起こし、ケララ州に甚大な被害をもたらした。同州のコッタヤム地区とイドゥッキ地区の当局者によると、これまでに地区内で23人の死亡を確認し、9,000人以上が避難を余儀なくされたという。
気象当局は18日以降もケララ州の一部地域では大雨が続くと予想している。
地元メディアは多くの民家、車、橋が流されたと報じた。州の専門家によると、被害状況の把握には少なくとも数週間はかかる見込みだという。
州内のいくつかのダムは貯水量の急増に対処するため、緊急放水を実施した。州政府は以前、放水は専門家委員会の決定に基づき行われると述べていた。
ケララ州のピナライ・ビジャヤン州首相は18日の記者会見で、「ダムの放水を開始する数時間前に対象河川の流域周辺で生活する住民に通知を出す」と述べた。
2018年にケララ州の一部地域を襲った大雨では400人以上が死亡した。この時、州政府はダムの放水前に警告を出さず、多くの論争を引き起こした。河川流域の低地で生活していた多くの住民が放水後の洪水に巻き込まれ死亡したと伝えられている。
ロイター通信によると、州政府は州内に避難所を184カ所設置し、避難者に食料、寝具、衣類などを提供しているという。
コッタヤム地区の避難所に避難した男性はロイターの取材に対し、「洪水は自宅、車、貴重品、家族の思い出、すべてを押し流した」と語った。「今年の雨は昨年より数段ひどいと思います。私たちは命と今着ている服以外の全てを失いました」
ナレンドラ・モディ首相はビジャヤン州首相との電話会談後、犠牲者に哀悼の意を表した。
ケララ州には大雨時の河川の増水を緩和する湿地や湖が多数存在していたが、それらの多くが都市開発に伴い姿を消した。
2018年の洪水はケララ州史上最悪と伝えられており、100万人以上が避難を余儀なくされた。同年に連邦政府が実施した調査によると、ケララ州は国内で最も洪水に弱い州のひとつだったという。