◎2020年に施行された国家安全維持法は民主化勢力を叩きのめし、独立系メディアの活動を禁じ、子供向けの本も取り締まるようになった。
香港警察、反中国を扇動する児童書とカメラマン(Getty Images/AFP通信)

香港の裁判所は10日、「扇動的な児童書」の出版に関与した言語療法士5人にそれぞれ禁固19カ月の実刑判決を言い渡した。

中国共産党の管理下に置かれている香港当局は「村から狼を追い払おうとする羊」を「香港から共産党を追い払おうとする民主化勢力」と解釈した。

著書らはこの電子書籍について、「民衆の視点を子供に理解しやすくまとめたただの児童書」と説明した。

しかし、共産党裁判官は「洗脳」と結論付けた。

2020年に施行された国家安全維持法は民主化勢力を叩きのめし、独立系メディアの活動を禁じ、子供向けの本も取り締まるようになった。

香港は中国の特別行政区であり、「一国二制度」の原則を持ち、一定の自由を保障されているはずだった。

5人は1年以上前に逮捕されて以来、薄暗い独房に押し込められ、共産党の判決を待っていた。

弁護士のひとりは判決後の記者会見で、「5人はすでに1年以上収監されているため、1カ月以内に釈放される可能性がある」と述べた。

ソーシャルメディアには5人を支持する投稿が相次いで寄せられ、ある活動家は「香港民主化運動を子供に分かりやすく説明した素晴らしい児童書」と絶賛した。

5人が出版した3冊のうちの1冊は、小さな村の羊が集落を乗っ取ろうとする狼の集団に反撃するという内容になっている。

弁護団はこの本について、「子供たちに不公平・不公正を理解してもらうためもの」と説明した。

しかし、共産党裁判官は、「香港と中国全土に不安の種をまいた」と非難し、訴えを退けた。

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