フィリピン・ドゥテルテ前大統領、ICCに初出廷、「麻薬戦争」をめぐる人道に対する罪で審理へ
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フィリピンのドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領が16日、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)に出廷した。人道に対する罪に問われている同氏が法廷に姿を見せるのは1年以上ぶりで、2025年3月に逮捕され、ハーグへ移送されて以来、初めて対面での審理に参加した。81歳のドゥテルテ氏は黒いスーツと白いシャツ姿で法廷に入り、傍聴席の支持者に手を振った。
今回の公判前審理では、主に証拠の開示や今後の裁判日程が議論された。本格的な裁判は11月に始まる予定で、検察側と弁護側が提出する証拠や証人の扱いなどが焦点となる。ドゥテルテ氏は審理中、発言せず、弁護団が手続きを進めた。
ICCはドゥテルテ氏がフィリピン大統領を務めた2016~22年だけでなく、それ以前に南部ダバオ市長を務めていた時期を含め、「麻薬戦争」と呼ばれる取り締まりで多数の殺害に関与した疑いを捜査してきた。
検察側は警察や政府系の武装集団による殺害がドゥテルテ氏の指示の下で行われたと主張している。一方、同氏は殺人や殺人未遂などの容疑を否認している。
死者数については情報源によって大きな差がある。フィリピン警察は麻薬取り締まりに関連して6000人以上が死亡したとしている一方、人権団体は犠牲者が3万人に達する可能性があると主張している。ICC裁判では、こうした殺害についてドゥテルテ氏個人がどのような責任を負うのかが主要な争点となる。
ドゥテルテ氏は2018年、ICCによる予備調査が始まった後、フィリピンをICCから脱退させた。しかしICCは昨年、脱退によって、それ以前に審理対象となった犯罪について裁判所の管轄を免れることはできないとの判断を示した。
今回の出廷はフィリピン国内の政治だけでなく、国際司法の場で「麻薬戦争」をめぐる責任が正式に審理される段階に入ったことを示している。
