◎インド海軍は5月18日の声明で、はしけ船に乗船していた270人のうち177人を救助し、海に投げ出された93人の捜索を続けていると述べた。
2021年5月17日/NASAが公開したサイクロン「タウクテ」の衛星画像、上陸時の中心気圧は950hpa、最大風速は44m/s、移動速度は13km/h、勢力はカテゴリー3(NASA/EOSDIS/AP通信)

現地メディアによると、インド西部マハーラーシュトラ州ムンバイの沖合で嵐に巻き込まれたはしけ船が沈没し、90人以上が行方不明になったという。

インド海軍は5月18日の声明で、乗船していた270人のうち177人を救助し、海に投げ出された93人の捜索を続けていると述べた。

インド西岸に上陸したサイクロン「タウクテ」の影響でムンバイの一部エリアは冠水し、市内の主要空港や交通機関は運転を見合わせたと伝えられている。

タウクテは17日未明に上陸した。上陸時の中心気圧は950hpa、最大風速は44m/s、移動速度は13km/h、勢力はカテゴリー3(非常に強い)。現地メディアによると、警察はこれまでに少なくとも19人の死亡を確認したという。

インドの石油天然ガス公社(ONGC)が所有するはしけ船は、海洋掘削現場から本土に従業員を移送する途中で被災したと伝えられている。インド海軍のスポークスマンは記者団に対し、行方不明者の捜索は難航していると述べた。「波が高く、捜索は難航しています。軍は現地に軍艦3隻を派遣しました。当局は現在、ムンバイ沖で沈没したはしけ船とグジャラート州沖を漂っている別のはしけ船の救助活動を行っています...」

現地メディアによると、沈没したはしけ船はムンバイの沖合約14kmの地点で発見されたという。また、グジャラート州の沖合約92kmの地点を漂っている別のはしけ船には約300人が乗船しているとのこと。

インド気象局は18日のツイートで、「タウクテは勢力を弱めていますが、対象地域の住民は強風と大雨への警戒を続けてください」と述べた。マハーラーシュトラ州とグジャラート州の当局者によると、タウクテの上陸前に約15万人が避難所に避難したという。

連邦政府は州政府に対し、いくつかの沿岸地域のコロナワクチン接種を停止し、住民の避難と救助活動を優先するよう要請した。

2021年5月17日/インド、マハーラーシュトラ州ムンバイの繁華街(ゲッティイメージズ/AFP通信)

ムンバイの保健当局者は17日、コロナ患者580人を仮設センターから市民病院に移送したと述べた。

現地メディアによると、国家災害対応部隊(NDRF)とインド陸軍の救助隊は、特に深刻な被害を受けたグジャラート州やその他のいくつかの地域に派遣されたという。

タウクテの影響でムンバイの繁華街は冠水し、通りの街路樹は配電線を切断し、車両を押しつぶした。現地メディアによると、マハーラーシュトラ州では広範囲で停電が発生しているという。

医療の専門家は現地メディアの取材に対し、「避難所では衛生対策を徹底しなければならない」と指摘した。「ハリケーンはムンバイや周辺地域のインフラに深刻な影響を与えており、医薬品や医療用酸素の輸送に影響が出ると予想されています。今クラスターが発生すれば、被災地域の医療機関は困難に直面するでしょう」

2021年5月18日/インド、マハーラーシュトラ州ムンバイ、倒木と歩行者(AP通信/Rafiq Maqbool)
2021年5月17日/インド、ムンバイ、倒木に押しつぶされたタクシー、配電線も切れた(AP通信/Rajanish Kakade)
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