◎新華社通信は15日、中国国家航天局(CNSA)は予定通り火星探査機「天門1号」を火星に着陸させたと報じた。
2021年5月15日/中国国家航天局(CNSA)は火星に宇宙船を着陸させた(CNSA/AFP通信)

5月15日、中国共産党の行政機関、中国国家航天局(CNSA)は、初めて宇宙船を火星に着陸させた。火星への着陸を成功させた国はアメリカに次いで2カ国目。

新華社通信は15日、CNSAは予定通り火星探査機「天門1号」を火星に着陸させたと報じた。同社によると、天門1号は保護カプセル、パラシュート、ロケットプラットフォームを組み合わせて着陸したという。

共産党の着陸は、中国初の恒久的な宇宙ステーションの建設に向けた先月のロケット打ち上げと、昨年末に月の岩を採取したミッションに続く快挙である。宇宙ステーション建設のために打ち上げられた長征5号Bのメインモジュールはインド洋に落下し世界を騒然とさせたが、共産党は「今回の経験を活かし、宇宙開発を加速させる」と誓約した。

CNSAの当局者はソーシャルメディアに、「中国は初めて火星に足跡を残した」と投稿した。「中国はさらなる宇宙探査に向けた重要な一歩を踏み出しました」

アメリカは1976年以来、火星への着陸を9回成功させている。旧ソビエトは1971年に初めて火星に探査機を送り込んだが、着陸直後に送信が途絶え、ミッションは失敗に終わった。

2月に火星入りしたアメリカのローバーと小型ヘリコプターは、現在火星を探査している。NASAは7月に最初のサンプルを採取し、10年以内に機体を地球に帰還させたいと考えている。

火星は大気が薄く、着陸は月よりはるかに難しいと伝えられている。

共産党は昨年7月に打ち上げた天門1号を今年2月に火星の軌道に乗せた。天門1号内で出番を待っている探査車「祝融(しゅくゆう:中国の火をつかさどる神)」は、現地の映像やサンプルを持ち帰ることを期待されている。

火星と地球の距離は約3億2,000万km。火星から送った信号が地球に到達するまでにかかる時間は約18分。

2021年5月6日/中国、北京の国立博物館で開催されている宇宙計画の展示会(AP通信/NgHan Guan)
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