◎中国共産党はカンボジア政府に援助金17億5,000万元(約300億円)を提供することに合意した。
2021年9月12日/カンボジア、首都プノンペンの政府庁舎、プラック・ソコン外相(右)と中国の王毅外相(Kith Serey/AP通信)

カンボジアの現地メディアによると、中国共産党はカンボジア政府に援助金17億5,000万元(約300億円)を提供することに合意したという。

カンボジアを訪問中の王毅外相はコロナウイルス対応、貿易と投資、教育と安全保障の問題を協議するために、フン・セン首相や他の政府高官と会談した。

中国はカンボジアの最大の投資国かつ最も親しいパートナーであり、共産党の援助はカンボジアの経済を支えている。フン・セン首相は首都プノンペンの郊外に建設された新スタジアムのオープニングイベントの中で、スタジアムの建設プロジェクトに投資した中国を称賛した。

カンボジアの国営通信社AKPによると、中国は新スタジアムの建設プロジェクトに約180億円投資したという。

フン・セン首相は、「カンボジアにこんな大きなスタジアムができるとは思っていなかった」と述べた。「中国は私たちのプロジェクトを支援してくれました。この新スタジアムはカンボジアと中国の友情の果実です...」

またフン・セン首相は、メコン川、トンレサップ川、バサック川にまたがる2,000km以上の道路と7つの橋の建設における中国の援助にも謝意を示し、「中国から購入したコロナワクチンはカンボジアの感染予防対策に大きな効果を発揮した」と語った。

しかしフン・セン首相は、カンボジアは中国に依存しているわけではなく、世界の全ての国と友情を結び、開発への投資や援助は歓迎すると付け加えた。

アメリカはカンボジアにコロナワクチンを寄贈したが、両国の関係は冷え切っている。カンボジア政府は人権と国民の政治的権利に対する配慮が乏しいという西側諸国の懸念を無視する一方、南シナ海における中国の領有権主張やその他の侵略行為を支持している。

アメリカは中国とカンボジアの関係に懸念を表明し、カンボジアの指導部に国民の利益を考慮しバランスの取れた外交政策を維持するよう呼びかけていた。

一方、王毅外相はプラック・ソコン外相と個別に会談した後、記者団に対し、「中国とカンボジアの友情を鉄よりも安定させ、鉄よりも強くする」と語った。

中国共産党はカンボジアのリーム海軍基地に新しい施設を建設しており、将来そこに軍の基地権を持つ可能性があると指摘されている。

リーム海軍基地は南シナ海の西に位置するタイランド湾に面している。中国共産党はカンボジアに基地権を持つことでインド太平洋地域の軍事活動を有利に進めたいと考えている可能性がある。

王毅外相は昨日、隣国ベトナムにコロナワクチン300万回分を寄付すると発表した。

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