カンボジア、26年から徴兵制導入へ、隣国タイとの緊張高まる中
対象は18~30歳の男女、女性は任意参加となる。
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カンボジアのフン・マネット(Hun Manet)首相は14日、隣国タイとの緊張が高まる中、来年から徴兵制を導入すると発表した。
フン・マネット氏は軍の式典に出席。演説で、26年から既存の徴兵制に関する法律を施行し、兵員不足を補い、軍の能力を向上させる方針を明らかにした。
またフン・マネット氏は「これが私たちの決意である」と強調。議会に対し、防衛費の増額を求めた。
さらに、「徴兵制で入隊する兵士は志願兵よりも効果的で、少なくとも同等の専門性を持つだろう」と述べた。
徴兵制法は2006年に制定されたが、これまで施行されていなかった。対象は18~30歳の男女、女性は任意参加となる。
タイでは20歳に達した男性に対し徴兵制が長年実施されており、毎年抽選で徴兵対象者が決定される。
カンボジアの影の支配者であり、フン・マネット氏の父親であるフン・セン(Hun Sen)上院議員は先月末、3時間を超えるテレビ演説で、タイ国境の係争地をめぐる問題に言及。ペートンタン(Paetongtarn Shinawatra)首相を激しく非難した。
両国の関係は5月28日に国境沿いの係争地で銃撃戦が勃発して以来、緊張している。
カンボジア軍は5月28日にタイ国境沿いでパトロールを実施していたところ、タイ側が銃撃したと主張。タイ軍はカンボジア兵が国境沿いの係争地に侵入したため、威嚇射撃を行い、カンボジア兵が反撃したため応戦したと説明している。
この衝突は約10分間続き、カンボジア兵1人が死亡。現地の指揮官が互いに連絡を取り合い攻撃をやめるよう部隊に命じた。
タイの憲法裁判所は今月初め、ペートンタン氏に対する失職請求を受理。職務停止を命じた。