カンボジア政府、オンライン詐欺拠点の一掃を宣言、大規模摘発も専門家は懐疑的
カンボジアでは、偽の投資話や恋愛を利用した詐欺などを行う犯罪組織が、ホテルやカジノ、住宅施設などを拠点として活動してきた。
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カンボジア政府は28日、国内に存在していたオンライン詐欺拠点を一掃したと発表した。政府のオンライン詐欺対策委員会によると、2025年7月から2026年8月までに793カ所の疑わしい施設を捜査し、このうち624カ所を摘発したほか、39カ国の約3万人を逮捕し、5万8000人以上の外国人を救出したとしている。長年にわたり国際的なオンライン詐欺の主要拠点とされてきたカンボジアが、国家規模で取り締まりを強化した形だ。
カンボジアでは、偽の投資話や恋愛を利用した詐欺などを行う犯罪組織が、ホテルやカジノ、住宅施設などを拠点として活動してきた。そこでは海外から仕事を求めて入国した人々が犯罪組織に拘束され、脅迫や暴力を受けながら詐欺行為を強要されるケースも報告されている。
国連の推計では、オンライン詐欺による世界全体の被害額は2025年だけで883億~1141億ドルに達し、問題はカンボジア国内にとどまらない国際的な問題となっている。
政府は今年3月、オンライン詐欺への罰則を大幅に強化する新法を施行し、最高で終身刑を科すことを可能にした。また、国際的な犯罪ネットワークの摘発にも力を入れ、主要な犯罪組織の幹部とされる人物の逮捕や国外への引き渡しも進めてきた。政府側はこうした措置によって、大規模な詐欺施設はもはや国内に残っていないと主張している。
しかし、専門家や人権団体からは政府発表に対する慎重な見方も出ている。ロイター通信によると、詐欺組織が大規模な施設からマンションや小規模な事業所などへ活動場所を移している可能性が指摘されている。つまり、目立つ巨大施設が閉鎖されたとしても、犯罪ネットワークそのものが消滅したとは限らない。
また、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは6月、カンボジアには多数の詐欺拠点が残っており、人身売買や強制労働の被害者に対する保護も不十分だと指摘していた。今回の政府発表についても、独立した第三者による検証が必要との見方がある。
カンボジア政府が掲げる「一掃」が実現したかどうかを判断するには、施設の閉鎖や逮捕者数だけでなく、犯罪組織の資金網、幹部、海外ネットワークを継続的に摘発できるかが重要となる。被害者の救済と再発防止を含めた長期的な対策が求められている。
