◎中国でこのような火災は珍しくなく、その多くが法律や規則を無視した事業者によって引き起こされている。
2023年4月19日/中国、首都北京近郊、火災が発生した長豊病院(Andy Wong/AP通信)

中国当局は19日、北京の豊台区にある病院で発生した火災について、患者26人を含む29人の死亡を確認したと発表した。

中国中央テレビ(CCTV)によると、火災は私立長豊病院の入院病棟で18日に発生。最初の通報は午後1時前(現地時間)にあり、30分後にはほぼ消し止められたという。

中国版ツイッターの「新浪微博(Sina Weibo)」に投稿された動画には、建物から黒煙が上がり、ベッドシーツで作ったように見えるロープを使って窓から脱出する人の姿などが映っていた。

CCTVは病院関係者の話を引用し、「看護師と医療助手も亡くなった」と報じている。

出火原因は調査中とみられる。地元紙は関係者の話として、「入院病棟で行われていた溶接作業の火花が火元とみられる」と伝えている。

それによると、当局は工事関係者12人を拘束したという。

当局は病院の職員を含む39人が搬送され、そのうち3人は重体と説明している。市内各地から救助隊や医療関係者が集められたようだ。

中国でこのような火災は珍しくなく、その多くが法律や規則を無視した事業者によって引き起こされている。

政府は北部の港湾都市・天津市の化学薬品倉庫で2015年に発生した爆発事故以来、安全対策の強化を公約に掲げている。この事故では173人が死亡したと伝えられているが、西側の専門家は爆発の規模から、数千人が死亡した可能性があると指摘している。

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