◎共産党は世界で最も厳格な水際対策をさらに強化し、コロナを封じ込めつつ五輪を成功させることを目標としている。
2022年1月15日/中国、北京2022冬季五輪のカウントダウン掲示板(Mark Schiefelbein/AP通信)

1月16日、中国は開幕まで3週間を切った北京2022冬季五輪を成功させるために全国のコロナウイルス対策を強化した。

大会に出場する選手は競技やトレーニング中以外はマスクの着用を求められる。出場国の関係者は「拍手」で自国の選手を応援できる。コロナ検査で陽性診断を受けた個人は専用の病院に搬送される。

共産党は世界で最も厳格な水際対策をさらに強化し、コロナを封じ込めつつ五輪を成功させることを目標としている。

水際対策の大まかな枠組みは東京2020夏季五輪とほぼ同じだが、一つ一つの対策がはるかに厳しく、共産党の「ゼロコロナ政策」に違反した大会関係者は追放される可能性がある。

コロナワクチン接種は必須ですか?

選手を含むすべての関係者は入国前のコロナワクチン接種を求められる。ただし、基礎疾患や健康上の理由により接種できない人は免除を申請できる。

東京2020はワクチン接種を強制しなかったが、北京は上記の理由以外でワクチンを接種していない個人の入国を認めないため、ほぼ強制と見なされている。

入国する際には各国で承認されたワクチンの接種を終えた証明書と、搭乗前のPCR検査結果を提示する必要がある。

入国時のPCR検査で陽性と診断された個人は即拘束されるため、選手は徹底した感染対策を求められる。

米国のモーグル選手、ハンナ・ソア氏は入国時の様子をソーシャルメディアに投稿した。「誰もがマスクを着用し、社会的距離を保っています。感染したら終わりです...」

入国後の注意点は?

北京の空港で必要書類を提出した個人は体温を測り、PCR検査を受ける。最近入国した五輪関係者はオンライン会見で、「検査に45分ほどかかった」と明らかにしたが、主催者によると、検査時間は混み具合で変化する可能性が高いという。

検査を受けた個人は専用バスで隔離施設に移動し、検査結果が確定するまで待機する。陰性だった人は隔離施設に少なくとも2週間とどまり、陽性だった人は別の施設に移される。

PCR検査の頻度は1日1回、入国したすべての個人に適用される。

隔離施設の個室以外のエリアではマスクの着用を求められる。関係者によると、食堂には仕切りが設置されており、座席の配置も社会的距離を考慮し広めにとられているという。主催者は「黙食」を推奨している。

社会的距離を保つことができない場所(エレベーターなど)での会話は禁止。施設内で監視カメラが取り付けられていない場所は個室、トイレ、浴室のみと信じられている。

陽性診断を受けた選手は?

東京2020では33人の選手が入国後の検査で陽性と診断され、そのうち22人が出場を辞退した。

一部の医療専門家は中国の水際対策を「鉄壁」と評価したものの、感染力の強いオミクロン株の影響で入国後に陽性診断を受ける選手は東京2020より多くなる可能性が高いと指摘した。

陽性診断を受けた個人は無症状の場合、専用の隔離ホテルで待機する。主催者によると、個室の広さは約15畳(25㎡)で外出は一切できず、必要なものはすべて当局者が用意し、要望があればトレーンニング用のマシンを準備するという。

2日連続で陰性診断を受けた個人は施設を離れることができるが、自国の選手団に合流できるタイミングは隔離期間や時期によって異なるため、注意が必要。

発熱等の症状のある陽性者は専用の病院に入院する。3日連続で検温をクリアし、かつ、2日連続で陰性診断を受ければ退院。

主催者によると、大会前の検査で陽性と診断され競技前に回復した選手の扱いは「ケースバイケース」だという。

観客はいますか?

観戦を許可される人は地元のワクチン接種を終えた住民だけになる予定。

北京では15日に初めてオミクロン株が検出され、その他の主要都市でも陽性者が複数報告されている。これが観戦に影響を与えるかどうかは不明だが、東京2020は大会前に感染が急拡大したことを受け、無観客に移行せざるを得なくなった。

仮に観戦が許可されたとしても、従来の五輪のような盛り上がりは期待できない。住民は声援ではなく拍手で選手を応援するよう求められている。

セロコロナ政策は機能しますか?

共産党の感染予防対策は極めて厳しく、多くの専門家がオミクロン株の感染を抑えつつ大会を運営できると予想した。

ボストン大学の公衆衛生専門家であるサンドロ・ガレア博士はソーシャルメディアに、「多くの選手が厳しい対策をクリアするために、感染予防を徹底するだろう」と投稿した。「感染すれば4年間の努力が水の泡になります。選手はマスクを手放せないでしょう...」

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