バングラ特別法廷、ハシナ前首相に懲役6カ月、法廷侮辱罪
ハシナ氏は昨年7月に反政府デモが激化したことを受け退任。翌月、インドに逃亡した。
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バングラデシュの特別法廷は2日、法廷侮辱罪でハシナ(Sheikh Hasina)前首相に懲役6カ月の実刑判決を言い渡した。
ハシナ氏は昨年7月に反政府デモが激化したことを受け退任。翌月、インドに逃亡した。
それ以来、ノーベル平和賞受賞者のユヌス(Muhammad Yunus)首席顧問が暫定政府を率いている。
暫定政府は人道に対する罪を含め、ハシナ氏と党幹部らを200件以上の罪で告発。インドにハシナ氏の身柄を引き渡すよう求めている。
また暫定政府はハシナ氏らを裁くため、1971年のパキスタンとの独立戦争中の「人道に対する罪」を扱った特別法廷を再結成した。
特別法廷は先月、ハシナ氏らの審理を開始。6月16日までに出廷するよう命じていた。
同法廷はハシナ氏とみられる女性と暫定政府の学生部門の指導者とされる人物が電話で話す音源を公開。ハシナ氏とされる人物は「私に対して227件の訴えが提起されているため、私は現在、227人を殺害する許可を持っている」と発言している。
捜査当局はこの女性がハシナ氏であることを確認したとしている。
この音源がどこから流出したかは不明。ハシナ氏はコメントしていない。
特別法廷はハシナ氏が227人を殺害する許可を持っていると主張し、法廷を侮辱したとして、実刑判決を言い渡した。
インド政府はハシナ氏の身柄引き渡しを拒否している。
24年7月のデモにおける死者は750人超、負傷者は数千人と報告されている。
当局はこの取り締まりを主導したとされる警察庁長官を逮捕している。
バングラ政府は昨年12月、インドに対し、ハシナ氏の身柄引き渡しを正式に要請した。
ハシナ氏は国家の全治安部隊、自身の政党・アワミ連盟およびその関連団体に対し、大量殺戮、女性と子供を標的とする暴力、遺体の焼却、負傷者への医療措置の拒否など、これらの行為を実行するよう直接命令した責任があると告発されている。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は今年2月に公表した報告書で、「3週間の抗議デモ中に最大1400人が殺害された可能性がある」と指摘した。