◎ソロモン諸島と中国は先月末、協定に仮調印した。
2021年11月26日/ソロモン諸島、首都ホニアラのチャイナタウン(Getty-Images/AFP通信)

オーストラリア政府の高官は13日、中国との安全保障協定に仮調印したソロモン諸島を訪問し、同国の政府高官と会談した。

セセルジャ国際開発・太平洋担当相は野党労働党議員らの協力を受け、2日間の協議に臨む予定である。

セセルジャ氏はツイッターに、「オーストラリアはソロモン諸島の透明かつ尊敬に値するパートナーであり続けるだろう」と投稿した。

ソロモン諸島のソガバレ首相の報道官はAFP通信の取材に対し、「首相はセセルジャ大臣にお会いすることを楽しみにしている」と述べた。

先月末にリークされた中国とソロモン諸島の安全保障協定草案は太平洋地域に衝撃を与えた。

AUS、ニュージーランド、日本、米国、その他の太平洋諸島の近隣諸国は、中国の警察および軍のソロモン諸島への配備を認めるこの協定に深刻な懸念を表明した。

また草案は「社会秩序」を維持するために、ソロモン諸島の要請に基づき、武装した中国軍の派遣を認めるとしている。

さらに、相手国の書面による同意がない限り、どちらも任務を公にすることは許されない。

ソロモン諸島と中国は先月末、協定に仮調印した。両国の外相が署名すれば協定は正式に発効する。

ソガバレ首相は仮調印後、ソロモン諸島に中国の軍事基地を建設するという意図は全くないと西側の懸念を一蹴した。

同国は2019年に台湾との外交関係を断ち切り中国に乗り換え、同国最大の島であるマライタ島の地方自治体との緊張をあおった。

昨年11月、ソガバレ首相の退陣を求めるマライタ島のデモ隊が首都ホニアラのあるガダルカナル島に乗り込み、チャイナタウンを含む多くの地域を破壊した。ソガバレ首相はデモを鎮圧できず、AUSに支援を要請している。

AUS政府はガダルカナル島とマライタ島の民族間抗争に伴い、2003年から2017年まで同国に平和維持部隊を配備していた。

AUS政府は先週、ソロモン諸島でこの安全保障協定に関する協議を行ったばかりである。協議には情報機関長官が出席した。

米国も懸念に対処する取り組みを開始している。

米国務省によると、シャーマン国務副長官はソロモン諸島の外相と米国大使館の再開計画や、自由で開かれたインド太平洋地域を支援するための共同作業について協議したという。

米国は2019年の台湾問題以降、ソガバレ政権ではなくマライタ島の自治体に直接援助を提供している。

ソーシャルメディアでは昨年末、中国政府が昨年11月の暴動を受け、大使館職員を保護するために狙撃銃などを携行する警備チームを現地に派遣したいとソロモン諸島政府に伝えたというメモがリークされ、物議を醸した。メモの流出経路は明らかにされていない。

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