◎アルバニージー政権はオーストラリア犯罪学研究所が昨年公表した調査結果に基づき、この業界に対応を求めている。
プールに入る女性(Getty Images)

オーストラリア政府は19日、同国で出会い系アプリを利用したユーザーの4人に3人が性的被害に遭っているという調査結果を受け、この業界に安全基準を改善するよう勧告した。

ローランド(Michelle Rowland)通信相は記者会見で、「出会い系業界は安全基準を改善しなければならず、対応しなければ法改正もあり得る」と語った。

またローランド氏は人気の出会い系アプリ「ティンダー」「バンブル」「ヒンジ」などを念頭に置き、「これらの企業はユーザーの安全に関する懸念に対処する自主的な行動規範を速やかに策定しなければならない」と述べた。

行動規範には▽法執行機関との連携の改善▽ユーザーへの支援▽安全に関するルールの策定と導入▽アプリの透明性の向上などが求められる。

ローランド氏は「アプリの安全基準が十分に改善されない場合、政府は法改正を含む強制的な措置に踏み切る可能性がある」と指摘。インターネット分野の技術革新を阻害するような事態は避けたいとしたうえで、「有害なものは改善し、新たな被害者を出さないようにすることが重要だ」とした。

アルバニージー政権はオーストラリア犯罪学研究所が昨年公表した調査結果に基づき、この業界に対応を求めている。

それによると、出会い系アプリやウェブサイトを利用者した4人に3人が2021年までの5年間に何らかの性的被害を受けたという。

ローランド氏は出会い系アプリによる出会いについて、「オーストラリアで新しい関係を築く、最もポピュラーな方法のひとつであり、厳しい規制はこの業界だけでなく、オンライン業界全体の成長を妨げることになる」と述べた。

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