◎サイバー犯罪はこの地域で大きな問題となっている。
2023年5月10日/インドネシア、ASEANサミットに出席した各国の首脳(Akbar Nugroho Gumay/Pool/AP通信)

ASEAN(東南アジア諸国連合)の首脳は10日、この地域を悩ますサイバー犯罪に対処する取り組みの一環として、国境管理や法執行などを強化することで合意した。AP通信などが報じた。

それによると、各国の首脳はソーシャルメディアやその他のオンラインプラットフォームの使用や悪用を通じて、東南アジアや世界的に人身売買を促進する技術の悪用が増加していることに懸念を表明する予定だという。

共同声明の草案には「サイバー犯罪組織によるソーシャルメディアやその他のオンラインプラットフォームの利用は人身売買防止活動を複雑にし、事件の数や規模を倍増させている」と書かれていた。

サイバー犯罪はこの地域で大きな問題となっており、アジアやその他の地域から来た一般市民がミャンマーやカンボジアなどの国々で「特定の仕事」に就くよう誘われたという報告が数多くある。

しかし、勧誘に乗った市民の一部は奴隷のように扱われ、サイバー犯罪を強制されることもあるようだ。

この地域で活動する詐欺集団は国際的な組織犯罪(中南米の麻薬カルテルなど)とつながっていることがあり、法執行が弱い国で設立され、高収入をうたい文句に若い労働者を集める。

そして、特定の国の個人に電話をかけさせ、海外の銀行口座に現金を振り込ませようとする。詐欺で成果を上げられない労働者は暴力に直面することもある。

APによると、ASEAN首脳は国境管理、捜査、法執行、訴追、被害者の送還における協力を強化することに合意したという。

またASEANは国民への啓蒙活動や先端技術の利用拡大など、国内での予防努力の向上も求めるとした。

今回のサミットを主催したインドネシアは先週末ミャンマーでサイバー犯罪に強制的に加担させられていた自国民人20人を保護したと発表した。

インドネシア外務省は声明で、「犯罪組織は人々にタイで高収入の仕事があると騙し、代わりにミャンマーでサイバー犯罪を強制していた」と述べていた。

スポンサーリンク