◎インドネシアは1951年に国連で採択された「難民の地位に関する条約」に加盟していないが、2016年の大統領令で難民の扱いに関する規定が定められて以来、多くのロヒンギャを受けている。
2023年11月20日/インドネシア、スマトラ島北部アチェ州、ロヒンギャ難民(Rafka-Zaidan/AP通信)

インドネシア当局は20日、ミャンマーの少数民族ロヒンギャの難民約1000人がスマトラ島北部アチェ州の海岸にボートで到着したと発表した。

それによると、人々はこの1週間で5つのボートに分かれてアチェ州に上陸。その多くが女性と子供だという。

このうちの1つ(約240人)は先週末、アチェ州の住民に上陸を拒否され、人権団体が深刻な懸念を表明していた。一行は19日朝、ようやく上陸を許可された。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は声明で、「難民の上陸を許可した当局と地域社会に感謝します。今後も援助と保護を必要とする難民にこのような連帯と人道の精神が続くことを望みます」と述べた。

アチェ州に到着した1000人は困難な船旅に耐え、疲れ切っていた。

AP通信は関係者の話しとして、「航海中に死亡した難民はいなかったとみられるが、その多くが衰弱し、10数人が病院に搬送された」と伝えている。

ミャンマー軍政による2017年の弾圧で殺害されたロヒンギャは1万3000人と推定され、少なくとも200の村が焼き払われ、100万人以上が国外退避を余儀なくされた。

バングラデシュのコックスバザール地区には70万人以上のロヒンギャが避難し、世界最大の難民キャンプを形成している。

海路でバングラを離れたロヒンギャの大半がイスラム教徒の多いマレーシアを目指すものの、途中でインドネシアに流れ着く者も少なくない。

インドネシアは1951年に国連で採択された「難民の地位に関する条約」に加盟していないが、2016年の大統領令で難民の扱いに関する規定が定められて以来、多くのロヒンギャを受けている。

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