◎ベネズエラの経済はマドゥロ大統領の不作為と米国の制裁でボロボロになり、この数年で市民700万人が国外に流出したと推定されている。
ベネズエラのマドゥロ大統領(Getty Images/AFP通信)

ベネズエラ野党が主催する大統領予備選の盛り上がりが最高潮に達している。現地メディアが21日の報じた。

予備選の投票日は22日。即日開票され、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に挑戦する候補が決まる予定である。野党が予備選を実施するのは11年ぶり。

首都カラカスで開かれたマチャド(María Corina Machado)元議員の集会には数万人が集まったと伝えられている。

マチャド氏は同国史上初の女性大統領を目指し立候補を表明。最新の世論調査によると、マチャド氏は最有力候補とみられる。

しかし、マチャド氏が仮に勝利したとしても、来年の大統領選に出馬できるかどうかは分からない。マドゥロ政権は今週、野党予備選の実施に基本合意したが、マチャド氏は本選への出馬を禁じられている。

マドゥロ政権は過去の選挙でも票を好き勝手に操作したり、野党との協定を破ったりしてきた。

予備選の候補は全員、マドゥロ政権打倒を公約している。そして、多くの有権者が野党候補に「多くのこと」を求めている。

ベネズエラの経済はマドゥロ氏の不作為と米国の制裁でボロボロになり、この数年で市民700万人が国外に流出したと推定されている。

GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりで急降下。2021年のGDP(推定値)は10年前の2割以下に落ち込んだ。

マドゥロ政権と米政府の支援を受ける野党派閥は今週、2024年大統領選の条件などを協議する作業部会で協力することで合意した。これによりマドゥロ政権は6人の政治犯を釈放。米政府は同国に対する経済制裁の一部を解除した。

それでも、ベネズエラの人権侵害を調査している国連の専門家委員会は先月、マドゥロ政権が2024年の選挙に向けて自由を抑制する政策を強めていると報告。その中には政治家、人権活動家、その他の反対派を拘束、監視、脅迫、中傷する取り組みが含まれているとした。

西側諸国は2018年の大統領選に出馬した野党党首グアイド(Juan Guaido)氏をベネズエラの暫定大統領と認めている。

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