◎米政府は昨年10月、マドゥロ政権が野党連合と選挙協定を結んだ見返りとして、経済制裁を一部緩和したものの、マチャド氏が大統領選に立候補できなかったことなどを受け、今年3月にこれを取り消した。
ベネズエラ、全野党の指導者マチャド元議員(Getty Images)

ベネズエラの野党指導者マチャド(María Corina Machado)元議員は5日、国際社会に対し、独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領への圧力を維持・強化するよう訴えた。

マチャド氏はオンライン記者会見で大統領選の勝者を全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏と認定するよう呼びかけた。

またマチャド氏は大統領選後の弾圧により数千人が逮捕され、少なくとも24人が死亡したことに言及。「マドゥロ政権の責任を追及する」と誓った。

さらに、平和的な政権移行が重要であり、現政権との交渉を含む、必要なことは何でもやる覚悟だと強調した。

「私たちベネズエラ国民は成し遂げました。私たちは専制政治と戦い……勝利し、それを証明しました。だから、それを見て見ぬふりをしようと考えているのなら、西側世界の主権や国民主権の行き着く先を想像してください。それは、選挙が無価値であることを意味するでしょう...」

マドゥロ氏の支配下に置かれる選挙管理委員会は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、現職のマドゥロ氏が得票率51%で勝利したと発表。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保したと報告。それによると、ゴンザレス氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたという。

米国を含む数カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけている。

しかし、最高裁判所は先月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらに、首都カラカスの裁判所は3日前にゴンザレス氏の逮捕状を発行した。

米ホワイトハウスのカービー(John Kirby)大統領補佐官は3日、ゴンサレス氏の逮捕状を「不当」と非難。マドゥロ氏はそれが結果を伴うことを理解すべきだと述べ、「様々な選択肢」を検討していると明らかにした。

米政府は昨年10月、マドゥロ政権が野党連合と選挙協定を結んだ見返りとして、経済制裁を一部緩和したものの、マチャド氏が大統領選に立候補できなかったことなどを受け、今年3月にこれを取り消した。

ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。

ゴンサレス氏は選挙翌日以来、公の場に姿を見せていない。

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