◎マチャド氏は今年6月の大統領選に出馬する予定であり、同国初の女性大統領および同国の民主主義を取り戻す使者として期待されている。
2023年10月22日/ベネズエラ、首都カラカスの投票所、大統領予備選に立候補したマチャド氏(AP通信)

ベネズエラの最高裁判所は27日、独裁者マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の政敵であり、米政府の支持を受けるマチャド(María Corina Machado)元議員の大統領選出馬禁止令を支持した。

マチャド氏は今年6月の大統領選に出馬する予定であり、同国初の女性大統領および同国の民主主義を取り戻す使者として期待されている。

マチャド氏は昨年10月、バイデン政権が支援する野党の選挙管理当局が主催する大統領予備選で大勝。得票率は94%に達した。

マドゥロ政権はマチャド氏に15年間の選挙出馬禁止令を科している。

マチャド氏はマドゥロ政権から公式の禁止令を受け取っていないと主張。先月、最高裁に禁止令の差し止めを求め提訴していた。

国営メディアは10月の予備選の投票数を100万票程度と予想していたが、全国の投票所には土砂降りにもかかわらず数万人が何時間も列を作った。野党選管は約240万人が票を投じたと報告している。

マチャド氏の勝利から数日後、マドゥロ氏の支配下にある検察当局は予備選の関係者が有権者の個人情報を盗んだり、資金洗浄(マネーロンダリング)に関与した疑いがあると突然主張した。

予備選前、マドゥロ政権と米国の支援を受ける野党は2024年後半に大統領選を実施することなどで合意。この合意により、バイデン政権はベネズエラの石油・ガス・鉱業部門に対する制裁を一部緩和した。

最高裁の判決後、マチャド氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「自由で公正な選挙を通じて民主主義を取り戻す戦いは終わっていない」と書き込んだ。「マドゥロとその犯罪システムは不正選挙という最悪の道を選んだ。そんなことは起こらない」

しかし、マドゥロ政権の支配下にある最高裁はマチャド氏の陣営が詐欺と資金洗浄に関与していたと非難。禁止令を支持した。

米政府はマドゥロ政権が合意を履行しなかったり、野党候補を弾圧した場合、経済制裁を再開すると警告している。

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