◎ボルアルテ大統領はカスティジョ容疑者の解放と解散総選挙を求めるデモ隊の圧力に直面している。
2022年12月10日/ペルー、首都リマの大統領府、ボルアルテ大統領(中央)と閣僚(Guadalupe Pardo/AP通信)

米国務省は18日、ペルーのボルアルテ(Dina Boluarte)大統領と共通の目標に向けて緊密に協力することを楽しみにしていると声明を発表した。

元教師である左派のカスティジョ(Pedro Castillo)前大統領は今月7日、議会を一時的に解散し、「特別緊急政府」を設置するとテレビ演説で発表したものの、議会の弾劾投票で罷免され、同日遅くに反逆罪で逮捕された。

その後まもなく、副大統領のボルアルテ氏が同国初の女性大統領に就任した。

裁判所は15日、カスティジョ容疑者の公判前勾留期間を18カ月に延長した。

米国務省によると、ブリンケン(Antony Blinken)国務長官とボルアルテ氏が18日に電話会談を行い、民主主義を守ることや必要な改革を行うことで一致したという。

同省は声明の中で、「ブリンケン氏はペルーの関係機関や市民団体に対し、必要な改革を行い、民主主義を守るための努力を倍加させるよう促した」と述べている。

ボルアルテ氏はカスティジョ容疑者の解放と解散総選挙を求めるデモ隊の圧力に直面している。

しかし、地元メディアは専門家の話を引用し、「米政府がボルアルテ氏の就任を支持したことで、デモの勢いは弱まる可能性がある」と報じている。

米国務省は声明で、「バイデン政権は民主主義、人権、安全保障、腐敗防止、経済繁栄に関する共通の目標や価値観について、ボルアルテ大統領と緊密に協力することを期待している」と述べた。

一方、ボルアルテ氏は17日の演説で議会に対し、国民の要求に沿った早期選挙を許可するよう求めたが、議会は総選挙を前倒しする動議を圧倒的反対多数で否決した。

ボルアルテ政権は今週、各地で抗議デモが暴動に発展したことを受け、全国を対象とする非常事態を宣言。軍と警察の権限を強化し、移動と集会を一部制限した。

メキシコのオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領はこの措置を批判し、「ペルーにおける市民の権利と人権を守る必要がある」と呼びかけた。

オブラドール氏は記者会見で、「武力を用いてはならず、人々を抑圧してはならず、自由を保証しなければならない」と述べた。暴動に関連する死者は20人を超えた。

2022年12月8日/ペルー、首都リマ、カスティジョ前大統領の支持者と警察官(Fernando Vergara/AP通信)
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