トランプ氏、ブラジル産輸入品に50%関税「魔女狩りやめろ」
この決定はトランプ氏が関税を課す動機が経済的理由ではなく、個人的な恨みにあることを示している。
とブラジルのボルソナロ大統領(AP通信).jpg)
トランプ(Donald Trump)米大統領は9日、ブラジルの盟友ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、ブラジル産の輸入品に50%の関税を課すと発表した。
トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に書簡を投稿。「この裁判は行われるべきではない。これは即刻終了すべき魔女狩りだ!」と述べ、左派のルラ政権を罵倒し、50%の”トランプ魔女狩り関税”を課すと宣言した。
この決定はトランプ氏が関税を課す動機が経済的理由ではなく、個人的な恨みにあることを示している。
トランプ氏はブラジルに標準的な書簡を送らず、2022年の大統領選挙での敗北を覆そうとした容疑で起訴されているボルソナロ氏に対する裁判と関税を明確に結びつけた。
トランプ氏はボルソナロ氏を親友のひとりと呼び、2020年に両者が政権を握っていた頃、自身の別荘マー・ア・ラゴに招待していた。
トランプ氏は7日にもSNSへの投稿で、ボルソナロ氏を魔女狩りの犠牲者と呼び、ブラジル当局に「手を引くよう」求めていた。
ボルソナロ氏はクーデターを起こした罪などで起訴されている。
ルビオ(Maro Rubio)米国務長官は5月末、共和党議員との会合で、ブラジル最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事を制裁リストに加える可能性があると明らかにした。
ジモラエス氏は今年3月、ボルソナロ氏を被告人と認定し、公判の開始を決定した。
検察庁は2022大統領選の結果を覆すためにクーデターを企てたとしてボルソナロ氏や元海軍司令官など、計34人を起訴している。
ブラジル政府はトランプ魔女狩り書簡についてコメントしていない。
トランプ氏は書簡の中で、ブラジル最高裁がX(旧ツイッター)などのソーシャルメディア企業に罰金を科したことにも異議を唱え、昨年の一時的なXブロックは「違法な検閲命令に相当する」と非難した。
トランプ関税の上乗せ分は8月1日に発動する予定だ。米国は昨年、ブラジルに対し68億ドルの貿易黒字を記録した。