◎南西部ジャムンディでは市中心部の通りで爆弾が爆発し、6人が負傷。モラレス市では警察署が襲撃を受け、警察官少なくとも2人が死亡した
コロンビア革命軍(FARC)の戦闘員(Getty Images)

コロンビア政府は20日、南部の2地域でコロンビア革命軍(FARC)から分離したゲリラ「FARC-EMC」が警察署などを襲撃し、少なくとも2人が死亡、6人が負傷したと明らかにした。

それによると、南西部ジャムンディでは市中心部の通りで爆弾が爆発し、6人が負傷。モラレス市では警察署が襲撃を受け、警察官少なくとも2人が死亡したという。

大統領府の報道官は2つの事件にFARC-EMCが関与していると指摘。「2016年の和平協定を無視するものであり、断じて容認できない」と非難した。

中央政府とFARCは2016年に和平協定を締結。これに異議を唱える勢力が同組織から分裂し、複数のFARCゲリラが誕生した。専門家によると、その中で最も強力な派閥がFARC-EMCとみられる。

FARC-EMCは今年4月に政府が主導する和平交渉から離脱。それ以来、軍や警察への攻撃を続けている。

先週には道路脇に設置されたIED(即席爆発装置)が爆発し、11歳の少年が死亡した。

地元テレビ局はFARCに詳しい専門家の話しとして、「FARC-EMCは同国最大のゲリラ・民族解放軍(ELN)とは異なる動きを見せており、和平交渉の障害になる可能性がある」と伝えている。

東部地域に拠点を置く別のFARCゲリラは和平に前向きな姿勢を示している。

ペトロ(Gustavo Petro)大統領は先月末、国内の2つの基地で数十万発の弾薬、数千個の手榴弾、37発の対戦車ミサイルの所在が分からなくなっていると明らかにした。

一部の地元メディアはこれにFARC-EMCもしくはELNが関与している可能性があると指摘。ゲリラと内通する兵士が弾薬などを盗み出したという見方を示していた。

元左翼ゲリラのペトロ氏ELNを含む全ての武装勢力との恒久的な停戦・和平を目指している。

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