ブラジル警察、銀行システムハッキング事件の容疑者を逮捕
中央銀行は2日前、C&Mソフトウェアのシステムがサイバー攻撃を受けたと発表。その後の捜査で5億4000万ブラジル・レアル(約143億円)が流出したことが確認された。
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ブラジル連邦警察は4日、金融機関向けに技術サービスを提供するC&Mソフトウェアのシステムがサイバー攻撃を受けた事件について、容疑者を逮捕したと明らかにした。
中央銀行は2日前、C&Mソフトウェアのシステムがサイバー攻撃を受けたと発表。その後の捜査で5億4000万ブラジル・レアル(約143億円)が流出したことが確認された。
この攻撃はブラジルで広く利用されている電子決済システム「PIX(ピックス)」に影響を及ぼした。
PIXは銀行口座間の送金を素早く可能にする電子決済システム。24時間365日、夜間や休日もその場で送金が完了する。2020年のサービス開始以来、瞬く間にブラジルで最も人気のある決済手段となった。
容疑者は金融機関を中央銀行と接続し、PIX取引を可能にするC&Mのシステムを攻撃した。
サンパウロ州警察はC&Mと提携していた1つの金融機関から5億4000万ブラジル・レアルが不正に流出したと明らかにした。
当局はC&Mの情報技術部門で働いていたジョアン・ロキ(João Roque)を容疑者と特定、逮捕した。
それによると、容疑者は共犯者がPIXシステムに不正アクセスするのを手助けしたとみられる。
容疑者はC&Mのシステムを攻撃した後、偽のPIX取引を数千から数万件実施。わずか数時間で5億4000万ブラジル・レアルを不正に入手したとされる。
顧客の口座に影響は出ず、C&Mと契約を結んでいた金融機関のみが被害を受けた。