◎カスティジョ前大統領の支持者は▽カスティジョ氏の即時解放▽ボルアルテ政権の退陣▽議会の即時解散と総選挙を求めている。
2023年1月12日/ペルー、首都リマ、ボルアルテ政権に抗議するデモ(Martin Mejia/AP通信)

ペルーの司法長官は13日、反政府抗議デモで市民少なくとも41人が死亡したことを受け、治安当局による取り締まりとその責任を明確化する調査を開始すると発表した。

司法長官事務所は13日付けの声明で、「首都リマや南部プーノ州などで報告されたデモ隊と治安当局による衝突に焦点を当てた調査を行う」と述べている。

左派のカスティジョ(Pedro Castillo)前大統領は先月7日、議会を一時的に解散し、「特別緊急政府」を設置するとテレビ演説で発表したものの、議会の弾劾投票で罷免され、同日遅くに反逆罪で逮捕された。

その後まもなく、副大統領のボルアルテ(Dina Boluarte)氏が同国初の女性大統領に就任した。

デモ隊はカスティジョ容疑者の解放と解散総選挙を求めて抗議デモを展開。一部が暴徒化して治安当局と衝突し、少なくとも41人が死亡した。当局は警察官1人が殺害されたと報告している。

反カスティジョ派が多数派を占める議会はカスティジョ氏を糾弾している。

これに対し、カスティジョ容疑者の支持者は▽カスティジョ氏の即時解放▽ボルアルテ政権の退陣▽議会の即時解散と総選挙を求めている。

カスティジョ容疑者は容疑を強く否認し、「連邦議会・軍・警察・司法がクーデターを起こした」と非難している。

一方、ボルアルテ氏は先月、抗議デモを阻止するために30日間の非常事態を宣言し、治安当局の権限を一部強化した。

しかし、デモは各地で続いており、南部プーノ州で1月9日に行われた抗議デモでは市民少なくとも17人が死亡した。

司法長官はプーノ州の取り締まりに懸念を示し、政府高官を含む関係者に対する調査を開始すると表明した。

プーノ州フリアカの抗議デモでは一部の暴徒が空港占領を試み、治安当局と衝突。少なくとも17人が死亡したと伝えられている。

当局は暴徒が銃器や爆発物を所持していたと報告している。

観光都市マチュピチュとクスコでは13日、暴動の影響で鉄道と空港が閉鎖を余儀なくされた。

この暴動は11日に始まった。デモ隊は空港に侵入を試み、バスターミナルに放火。商店を襲撃し、大きな石を線路に置き、鉄道の運行を妨害した。

クスコの空港が閉鎖されたのは騒動が始まって以来2度目である。鉄道会社は、安全上の懸念を理由にマチュピチュとクスコを結ぶ列車の運行を停止すると発表した。

クスコは年間数十万人の観光客が訪れるマチュピチュの玄関口である。

連邦検察によると、少なくとも8つの州の80の道路が封鎖された状態で、通行を再開できる目途は立っていないという。

検察は今週、デモに参加した市民少なくとも355人と警察官176人が負傷し、329人が逮捕されたと発表した。

地元メディアが行った世論調査によると、回答者の8割がカスティジョ容疑者の逮捕を妥当と回答。治安当局の取り締まりについては、半数が「厳しすぎる」と回答した。

米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官は先月、ボルアルテ氏と電話会談を行い、民主主義を守ることや必要な改革を行うことで一致した。

2023年1月12日/ペルー、首都リマ、ボルアルテ政権に抗議するデモ(Martin Mejia/AP通信)
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