◎マチュピチュは毎年約100万人が訪れるペルー最大の観光名所であり、2007年には「新世界七不思議」のひとつに選ばれた。
ペルー当局は21日、各地で反政府デモが続いていることを受け、観光地マチュピチュを封鎖すると発表した。
報道によると、地元当局は観光客および市民を保護するため、遺跡とそこに続くハイキングコースを閉鎖したという。封鎖期間は明らかにされていない。
麓の町には外国人観光客数百人が立ち往生しているとみられる。
カスティジョ（Pedro Castillo）前大統領は先月7日、議会を一時的に解散し、「特別緊急政府」を設置するとテレビ演説で発表したものの、議会の弾劾投票で罷免され、同日遅くに反逆罪で逮捕された。
その後まもなく、副大統領のボルアルテ（Dina Boluarte）氏が大統領に就任した。
デモ隊はカスティジョ容疑者の逮捕に抗議し、首都ペルーや南部の都市で抗議デモを展開。一部地域で暴動に発展し、これまでに50人以上が死亡した。
マチュピチュに続く鉄道と空港は昨年の暴動でも閉鎖を余儀なくされ、多くの観光客が立ち往生した。
マチュピチュに続く鉄道は19日に運行を停止している。
ペルー政府は21日、マチュピチュ行きのチケットを購入した人をサポートすると発表。封鎖終了から1カ月以内であれば使用可能とし、払い戻しにも応じるとした。
マチュピチュは毎年約100万人が訪れるペルー最大の観光名所であり、2007年には「新世界七不思議」のひとつに選ばれた。
一方、マチュピチュ周辺の都市のデモは激しさを増し、一部の暴徒が警察署と裁判所に放火した。
デモ隊はカスティジョ容疑者の解放と総選挙を求めているが、ボルアルテ氏はこれを拒否している。
地元当局は21日、南部カラバヤの抗議デモで新たに死者が確認されたと発表。これでデモ関連の死者は確認できているだけで58人となった。
首都リマのデモ隊は幹線道路を占領し、機動隊に石を投げつけた。機動隊は催涙ガスで応戦、乱闘に発展した。
EUの執行機関である欧州委員会は21日、デモが暴動に発展したことと、警察の武力行使を非難した。
カスティジョ容疑者は反逆罪などで逮捕されたが、容疑を否認し、議会・司法・検察・警察を非難している。
ボルアルテ氏は一部の州知事から退陣を求められているが、今週初めの議会向け演説で国民のために働くと約束し、デモ隊に平和的に抗議デモを行うよう促した。
