ペルー中央銀行、25年成長見通し据え置き、トランプ銅関税迫る中

ペルーは23年の景気後退から立ち直りつつある。24年の経済成長率はプラス3.3%、政府は今年の成長率を4.0~4.5%と予想している。
南米ペルーのアンタミナ銅鉱山(ロイター通信)

ペルー中央銀行の首席エコノミストであるアルマス(Adrian Armas)氏は11日、25年第2四半期(4~6月)のGDP伸び率が当初の予想通りであったと明らかにした。

トランプ関税が世界経済に深刻な影響を与えるという懸念が高まる中、アルマス氏はオンライン会見で、ペルーのGDPは5月に2.4~2.6%程度、6月には4%を超える成長を記録したと語った。

またアルマス氏は今年の成長率見通しを維持すると強調した。

さらに、7月のGDPは鉱山労働者の抗議活動により、主要な銅輸送路が封鎖されているため、0.2%のマイナスが見込まれるとした。

ペルーは23年の景気後退から立ち直りつつある。24年の経済成長率はプラス3.3%、政府は今年の成長率を4.0~4.5%と予想している。

一方、中銀は26年の成長率が2.9%に鈍化すると予想している。

銅鉱山で働く非正規労働者たちは全国各地で抗議デモを続けている。

ペルーは世界屈指の銅生産国で、ここ数年の価格高騰で大きな利益を得ている。銅の価格は昨年、史上最高値を更新。現在も需要の拡大が続く一方、供給量は不足している。

非正規労働者たちは銅鉱山を運営する複数の企業が労働者をタダ同然で働かせ、生産した銅で利益を上げていると非難している。

また非正規労働者たちは政府が鉱山労働者の過半数との契約を解除したことにも抗議している。

これは違法な採掘活動を抑止することを目的としている。

ロイター通信は11日、関係筋の話しとして、「主要鉱山の封鎖が2週目に入り、銅生産に影響を及ぼし始めている」と報じた。

トランプ(Donald Trump)米大統領は8日、国内に輸入される銅に50%の関税を課すと表明。トランプ氏の発言後、銅先物価格は12%以上急騰し、最高値を更新した。

銅関税は8月1日に発効する予定だ。ペルーは銅の大部分を中国に輸出している。

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