◎デモ隊はカスティジョ前大統領の解放と解散総選挙を求め、各地で抗議デモを展開している。

ペルー当局は18日、南部カラバヤの反政府デモで民間人2人が死亡、1人が重傷を負ったと明らかにした。
AP通信などによると、カラバヤのデモは暴動に発展し、一部の暴徒が警察署と裁判所に放火したという。
地元メディアは情報筋の話を引用し、「死亡したデモ参加者は武装していた」と報じている。死因は明らかにされていない。
APの取材に応じたカラバヤの医師は「2人の死亡した」と述べている。これでデモ関連の死者は53人となった。
左派のカスティジョ(Pedro Castillo)前大統領は先月7日、議会を一時的に解散し、「特別緊急政府」を設置するとテレビ演説で発表したものの、議会の弾劾投票で罷免され、同日遅くに反逆罪で逮捕された。
その後まもなく、副大統領のボルアルテ(Dina Boluarte)氏が同国初の女性大統領に就任した。
デモ隊はカスティジョ容疑者の解放と解散総選挙を求め、各地で抗議デモを展開している。政府は警察官1人が殺害されたと報告した。
APによると、放火されたカラバヤの警察署の署員は屋上からヘリで脱出したという。負傷者は報告されていない。
首都リマでも抗議デモが行われ、一部の暴徒と機動隊が衝突した。
カスティジョ容疑者は南部の貧しい地域などで支持を集め、2021年の大統領選に勝利した。南部のいくつかの州の知事はボルアルテ氏の辞任とカスティジョ容疑者の釈放を要求している。
ボルアルテ氏は2026年に予定されている大統領選と議会選を2024年に前倒しすると連邦議会に提案したが、右派が多数派を占める議会はこの提案を拒否し、ボルアルテ氏に辞任を求めている。なお、大半の左派議員もカスティジョ氏の弾劾は支持した。
地元メディアが最近行った世論調査によると、回答者の8割がカスティジョ容疑者の逮捕を妥当と回答。治安当局の取り締まりについては、半数が「厳しすぎる」と回答した。
米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官は先月、ボルアルテ氏と電話会談を行い、民主主義を守ることや必要な改革を行うことで一致した。
