◎左派のカスティジョ氏は、右派のケイコ・フジモリ氏を44,000票差で破り、当選を決めた。
2021年7月19日/ペルー、首都リマの党本部事務所、元教師のペドロ・カスティジョ氏(グアダルー・ペプラド/AFP通信)

ペルーの現地メディアによると、地方の教師から政治家に転向し大統領選に出馬したペドロ・カスティジョ氏が19日に勝利を宣言したという。

貧しい人々の支持を集めた左派のカスティジョ氏は、右派のケイコ・フジモリ氏を44,000票差で破り、当選を決めた。選挙当局は決選投票から1か月以上経った19日にようやく公式結果を発表した。

カスティジョ氏は51歳の元教師で組合のリーダーを務めていた。当局によると、同氏は7月28日に宣誓する予定だという。

カスティジョ氏は首都リマのペルーリブレ国民政党の本部で演説を行った。「私たちは協力してペルーをまとめるつもりです。そして、私たちは民主主義に反するものは全て拒絶します...」

フランシスコ・サガスティ大統領は19日、公式結果を歓迎するとツイートした。「選挙結果は和解、合意、統一に向けた始まりを意味します...」

カスティジョ氏は4年前の教師ストを数千人規模に拡大させたことで注目を集めた。ペルーリブレ国民政党によると、新政権は鉱業と炭化水素部門を国有化し、1年で100万人を新たに雇用することを目指しているという。また、犯罪防止の取り組みを支援するために死刑の再導入を目指すことも明らかにした。

一方、フジモリ氏は当局の不正を主張したが、証拠をほとんど提供しておらず、ペルーリブレ国民政党は異議申し立てを「言いがかり」と非難した。

米州機構(OEA)を含む外部の選挙オブザーバーも不正は確認されなかったと述べており、フジモリ氏は19日の声明で敗北を認めた。

フジモリ氏は声明の中で、「私たちはペルーのために協力するつもりです」と述べた。

フジモリ氏は汚職や人権侵害などの罪で懲役25年の実刑判決を受け収監されたアルベルト・フジモリ前大統領の娘である。

フジモリ氏は汚職とマネーロンダリングの罪で実刑判決を受けており、2018年から約13カ月刑務所に収監され、その後保釈された。

フジモリ氏は2011年と2016年の大統領選に先立ち、ブラジルの建設大手オデブレヒトから資金を受け取ったとされている。検察官は汚職に関わった者たちに懲役30年の実刑判決を求めていた。

世界第2位の銅生産国であるペルーの経済はコロナウイルスの感染拡大で押しつぶされ、貧困ライン以下の生活を送っている国民の割合は人口の約3分の1まで増加し、過去10年の経済成長は消滅した。

2021年7月19日/ペルー、首都リマの党本部事務所、支持者に手を振る元教師のペドロ・カスティジョ氏(グアダルー・ペプラド/AFP通信)
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