ペルー、5つの高セキュリティ刑務所の警備強化、犯罪組織の活動封じ込めへ
今回の対応の背景には、深刻化する治安問題がある。
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ペルー政府は5日、国内の5つの高セキュリティ刑務所を対象に60日間の非常事態を宣言した。警察と軍が施設の管理・警備を強化できるようにする措置で、刑務所内部から外部へ指示を出す犯罪組織の活動を封じ込めることが狙いだ。対象となる5施設には、犯罪組織との関係がある受刑者の約半数が収容されているという。
今回の対応の背景には、深刻化する治安問題がある。政府によると、人口10万人当たりの殺人率は2024年の10.1人から2025年には10.7人に上昇した。さらに8月末には、北部で警察官を装った武装集団が4人を殺害し、鉱業関係の実業家を誘拐する事件が発生。誘拐された男性は身代金を支払った後に解放された。
非常事態の対象となった刑務所では、警察と軍が施設周辺の警備だけでなく、上空の空域や通信の利用についても対応できるようになる。これは、刑務所内から携帯電話などを利用して犯罪組織が外部の仲間に指示を出すことを防ぐ狙いがあるとみられる。刑務所を犯罪者の収容施設ではなく、組織犯罪の「司令塔」として捉え、通信や人的ネットワークを断つことが重要になっている。
また、ケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)大統領が7月末に就任してから間もない時期の措置であることも注目される。フジモリ政権は治安対策を主要課題の一つに掲げており、今回の非常事態宣言は犯罪組織への強硬姿勢を示す政治的意味も持つ。
政府はさらに、犯罪組織を「テロリスト」に指定できるようにするため、議会に120日間の立法権限を求めている。しかし、野党はこの権限付与に異議を唱えている。
今回の非常事態宣言が犯罪組織の弱体化につながるのか、それとも軍・警察への権限集中を常態化させるのかが注目される。
